青汁に含まれるビタミンKの効果

青汁に含まれるビタミンKの効果
青汁にはビタミンやミネラルなどの栄養素がたくさん含まれています。ビタミンKも青汁に含まれる栄養素のひとつですが、ビタミンKにはどのようなはたらきがあるのでしょうか。

また、人によっては青汁に含まれるビタミンKがデメリットをもたらすこともあります。今回は青汁に含まれるビタミンKについてご紹介します。

青汁にはどのくらいビタミンKが含まれているの?

ビタミンKは緑黄色野菜や納豆、海藻類に多く含まれています。青汁の主原料は、ケール、大麦若葉、明日葉などの緑黄色野菜なので青汁に含まれるビタミンKの量も多いのです。

では、実際に青汁にはどのくらいのビタミンKが含まれているのでしょうか?実際には製品ごとに違いがありますし、同じ製品であっても収穫の時期や栽培時の気候などによって変動しますが目安としてひとつの研究をご紹介します。

青汁製品中のビタミンKの分析」(坂牧 成恵, 中里 光男, 松本 ひろ子, 萩野 賀世, 安田 和男, 永山 敏廣,食品衛生学雑誌47巻,2006年2号)によると、市販の青汁41製品についてビタミンKの分析を行ったところ、「製品中のビタミンK1含有量は冷凍製品90∼190 μg/100 g,粉末製品410∼3,300 μg/100 g,粒状製品640∼3,100 μg/100 gであり,各種青汁製品を喫食した場合,一日あたり20∼380 μgのビタミンK1を摂取すると推定された.」とされています。

なんとなく冷凍タイプの青汁のほうが含有量が多そうだというイメージがありましたが、意外にも粉末や粒タイプの青汁のほうがビタミンKの含有量が多いことがわかりました。

ビタミンKが多く含まれる納豆1パックあたりのビタミンK含有量はだいたい240μgなので、納豆と比較しても青汁がいかにビタミンKを多く含むかおわかりいただけるのではないでしょうか。

ビタミンKの種類とはたらき

ビタミンKと一言で表現することが多いですが、実はビタミンKにも種類があるのです。天然の天然のビタミンKは、大きく分けて2種類あります。

1つは、植物でつくられるフィロキノンとも呼ばれるビタミンK1、もう1つは細菌や動物の体でつくられるビタミンK2でメナキノンと呼ばれています。

私たちが普段食品から摂っているビタミンKは、フィロキノンがほとんどです。

また、メナキノンのなかには、メナキノン-4とメナキノン-7という種類があります。動物性の食品に多く含まれているのがメナキノン-4で、メナキノン-7は納豆に含まれています。

ビタミンKは、油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンです。食べ物から摂取する以外にも、体の中でもビタミンKは作られており、私たちはその両方を利用して生きています。

ビタミンKの主なはたらきは、止血と骨の健康維持です。ビタミンKの「K」はドイツ語で「凝固」を意味する「Koagulation」に由来しています。そのことからもわかるように血液を凝固させることがビタミンKのいちばんの役割といえるでしょう。ビタミンKは、出血したときに血液を凝固させる因子であるプロトロンビン(第II因子)、 第VII因子、第IX因子、第X因子が肝臓で産生される際に、カルボキシル化酵素の補酵素として働きます。

これらの因子をまとめてビタミンK依存性凝固因子と呼びます。こうしたビタミンKのはたらきによって、出血したときに血液を固め、止血することができるのです。

また、骨の健康維持に関しては骨にあるたんぱく質を活性化して骨の形成を促進する役割があります。特に、ビタミンK2とビタミンD3を一緒に摂取すると骨密度が高まることがわかっており、ビタミンKは骨粗鬆症の治療薬として使われることもあります。

ビタミンKが不足するとどうなるの?ビタミンKが不足しやすい人とは

ビタミンKが不足すると、出血しやすくなったり、出血がなかなかとまらないといったことが起こる可能性が高まります。通常の人であれば、体内でもビタミンKが合成されているためビタミンK不足になることはほとんどないといわれていますが、中にはビタミンKが不足してしまう人もいるようです。

注意が必要なのは、腸内細菌のはたらきがよくない人や胆汁の分泌に異常がある人です。

お子さんがいる方は知ってる!という方も多いかもしれませんが、産まれたばかりの赤ちゃんにビタミンKを投与することが多いです。筆者の子供の母子手帳にも「ケイツーシロップ投与」と記録が残っています。

赤ちゃんに投与する「ケイツーシロップ」とは、ビタミンK2のことだったのですね。なぜ赤ちゃんに?と思うかもしれませんが、産まれたばかりの赤ちゃんのお腹のなかはまだ腸内細菌が十分に存在していません。そのため、体内でビタミンKを作り出すことが難しいのです。

さらに、母乳に含まれるビタミンKもわずかなため、ビタミンK不足に陥りやすく、乳児ビタミンK欠乏性出血症(頭蓋内出血)を防ぐために投与されるというわけです。

また、大人であっても抗生剤を長期間に渡って服用している人では腸内細菌が抗生剤によって乱されているため、赤ちゃんと同じように体内でビタミンKをつくることが難しくなります。(だからといって抗生剤の服用を自己判断で中止することはしないようにしましょう。)

ほかにも、ビタミンKの吸収に胆汁が必要になることから、胆道閉鎖や肝不全などで胆汁の分泌に異常がある方もビタミンK不足になる可能性があります。

ビタミンKは成人男女とも1日に150μgが目安量となっています。ビタミンKは体内で作られたり、いろいろな食品に含まれているため、健康な人であればよっぽどのことがなければ不足する心配はありませんし、食品から摂取する天然のビタミンK1やビタミンK2に関しては大量に摂取しても毒性がなく過剰摂取の心配もないといわれています。

ただ、合成したビタミンKであるビタミンK3を過剰に摂取すると悪影響があります。

青汁はNG!?抗血栓薬とビタミンKの相性が悪いって本当?

青汁=健康にいいというイメージの人も多いと思いますが、実は青汁が健康にとってNGな場合もあるのです。

「ワーファリンを飲んでいる人は青汁を飲んではいけない」と聞いたことはないでしょうか。ワーファリンは血栓の治療や予防に使われる薬で、血を固まりにくくする作用があります。ワーファリンというのは商品名で、ワルファリン(ワルファリンカリウム)が正式な名称です。ワルファリンは、ワーファリン以外にもワルファリンKという商品名があります。

ワルファリンが血を固まりにくくする一方で、ビタミンKには血を固まりやすくする作用があります。この2つは全く反対の働きをするため、相性が悪いのです。ワルファリンを服用しつつビタミンKをたくさん摂取してしまうと、ワルファリンの作用が弱められてしまい十分な効果が得られなくなってしまいます。

そのため、ワルファリンを服用している方は納豆や青汁やクロレラといったビタミンKを多く含む食品は禁忌とされています。ちなみに、どのくらいビタミンKを摂取するとワルファリンの薬効に影響が出るのかについては、「ワルファリン服用者におけるビタミンK摂取量の許容範囲に関 する系統的レビュー」(佐藤, 陽子 村田, 美由貴 千葉, 剛 梅垣, 敬三,食品衛生学雑誌)において紹介されていました。

それによると、「ワルファリン服用者のビタミン K摂取量 が250μg/日を超える場合,有害作用のリスクが高まる可 能性があると報告されている…(中略)ワルファリンの薬効やINRの変動 には個人差が非常に大きく,約 190μg/日の摂取でも INR 変化量が 3.8となった症例報告もある. したがって, 今回示した値はあくまで一般的な値と捉え,現実としては 患者個々人の様子を見ながら慎重に対応することが基本と いえるであろう.」とのことです。

※INR=ワルファリンの抗凝固能の指標であるプロトロ ンビン時間国際標準比(Internationalnormalized ratio; INR)

青汁を飲むことで、一日あたり20∼380 μgのビタミンK1を摂取すると推定されていることから、他の食品から摂取するビタミンKの量を考えると、青汁を飲むことで250μg/日のビタミンKの量を簡単に超えてしまうことが考えられますね。

また、ワルファリンの抗凝固作用に及ぼす影響は個人差があるようなので、下手をすれば青汁を1杯飲んだだけでも薬の作用に影響が出てしまうことも十分ありえます。

このことか青汁とワルファリンの併用はNGといわれているのですね。

血栓の予防や治療では、ワルファリン以外にもバイアスピリンが使われることもあります。バイアスピリンに関してはワルファリンと作用のしくみが異なるため、ビタミンKの摂取に制限がなく青汁との併用も禁忌とはされていないようです。

しかし、抗血栓薬を服用しているということは血液が固まりやすいと困る体の状態であるということなので、ビタミンKを多く含む青汁を飲んでもよいか主治医や薬剤師に必ず相談するようにしましょう。

ビタミンKが含まれている青汁

どの青汁にもビタミンKが含まれていますが、どんな商品にどのくらい含まれているのか?具体的な例をおすすめの青汁とともに紹介します。

サントリー 極みの青汁

サントリー極みの青汁は熊本県産の大麦若葉がメインの青汁です。他には屋久島で採れた明日葉や、国産の抹茶や煎茶も入っています。煎茶のような味で、青汁っぽさが少ないため青汁初心者でも飲みやすいと定評のある商品です。

筆者も飲んだことがありますが、青汁と言われなければ煎茶と間違えてしまうほどで食事のときに一緒に飲んでも平気なくらいです。青汁自体に砂糖や甘味料の甘さがないぶん、自然な甘みで調整豆乳とも相性がよかったです。

極の青汁1袋(3.3g)に含まれるビタミンKの量は5.15~70.6μgです。

ケンプリア リッチグリーン

リッチグリーンは日本薬品開発株式会社がつくっている青汁です。ケンプリアというブランドで売り出しています。聞いたことのない会社・ブランドだと思う方がいるかもしれませんが、1960年代に初めて大麦若葉の青汁を開発したブランドでもあります。

酵素活性を保った大麦若葉エキスの粉末化に世界で初めて成功しており、加熱しない処理方法によって酵素を残したままの商品づくりにこだわっているようです。原材料は、大麦若葉とデキストリンのみというシンプルな内容で、1包あたり15~48μgのビタミンKが含まれています。

キューサイ ケール青汁

元祖青汁といえばキューサイというイメージの方も多いのではないでしょうか。キューサイのケール青汁の成分はシンプルにケールとビタミンCのみです。大麦若葉などに比べると「クセがあって飲みづらい」「まずい」「青臭い」などといわれるケールですが、筆者も怖いもの見たさ(飲みたさ)でキューサイのケール青汁を飲んだことがあります。

調整豆乳で割ってみたところ思っていたよりも飲みづらくなく、個人的には甘ったるい青汁や大麦若葉の青汁よりもおいしいと感じました。粉末がとても細かく、溶けやすいのでさらさらとした飲み心地です。1包(7g)に含まれるビタミンKの量は126~186μgです。1包の量が他の青汁に比べて多めなこともありますがビタミンKの量が多い青汁といえます。

サンスター 緑でサラナ

サンスターの緑でサラナは缶に入ったタイプの青汁です。また、「SMCS」という成分を日本で唯一含んだ特定保健用食品(トクホ)でもあります。SMCSはS-メチルシステインスルホキシドともいう成分で天然アミノ酸の一種です。

胆汁酸を作る酵素を活性化させるはたらきによってコレステロールを低下させることが認められています。緑でサラナの原料は、ブロッコリー、キャベツ、パセリ、大根菜、セロリ、レタス、ほうれん草、小松菜、りんご、レモンです。ブロッコリーがメインの青汁はレアに感じますね。また、加熱処理をしていないので酵素が壊れていないという特徴もあります。

砂糖や食塩などの添加物は一切入っていませんが、レモンやりんごなどの果汁で飲みやすく仕上がっているようです。ビタミンKは1缶あたり27μg含まれています。

カゴメ 緑王プチヴェール青汁

こちらの青汁の成分は、プチヴェールのみです。添加物などは一切入っておらず、新鮮なプチヴェールの絞り汁にプチヴェールの食物繊維を加えるという徹底ぶりです(普通は、「水溶性食物繊維」などが添加されていたりしますよね)。

プチヴェールというと聞きなれないですし、海外の野菜?と思うかもしれませんが、実はケールとメキャベツを交配することでつくられた日本生まれの野菜です。フランス語の「Petit vert(小さな緑)」を語源としており、フリルのある葉が特徴的で見た目もとてもおしゃれな野菜です。

プチヴェールをメインにした青汁は珍しく、味にも賛否両論あるようですが、β-カロテン、カルシウム、食物繊維などの栄養価が非常に高いといわれています。ビタミンKの含有量は1包あたり37μgです。

ステラ 贅沢青汁

福岡県産のクロレラ、沖縄県産の長命草、大分県産ケールが主な成分のステラの贅沢青汁。青汁といっても、こちらの商品は粒タイプです。製品100gあたりのビタミンK含有量は564ug、1日1~3錠飲むのが目安なようです。

1錠が何gなのかわかりませんが、1gあたりのビタミンKは5.6μgなので、たとえ1日に5g分飲んだとしてもビタミンKの量は28μg程度ということになります。青汁をごくごく飲みたいという方には向いていないかもしれませんが、青汁に興味はあるけどどうしても飲むのが苦手という方や外出先でも手軽に青汁を摂りたいという方はこうした粒タイプの青汁もいいかもしれませんね。

長寿の里 うまかぁ~里の野菜

うまかぁ~里の野菜青汁には、にんじん末、大麦若葉末、難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)、でん粉分解物、還元麦芽糖、抹茶、麦芽糖、緑茶末、小松菜末、ほうれん草末、ブロッコリー末、黒糖、でん粉、カボチャ末、ゴボウ末、アスパラガス末、キャベツ末、パセリ末、大根葉末、大根末、ケール末、セロリー末、ゴーヤ末、貝カルシウムが原材料として使われています。

15種類の野菜はすべて九州産のものが使われており、野菜の葉はもちろん皮や根や芯といった通常の調理ではつい除いてしまうような部位までしっかりと粉砕して入っています。

1包(6g)あたりのビタミンK含有量は45.1μgです。一般的な青汁の容量が1包3g前後なので、1包の容量も多めなぶん1包で摂れるビタミンKの量もやや多めです。

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