青汁に脳梗塞を予防する効果がある?

青汁に脳梗塞を予防する効果がある?
動脈の内壁が厚く、硬くなる動脈硬化は命にも関わる様々な病気の原因になります。動脈硬化が進行して血管が狭くなる、または詰まる状態が心臓で起これば心筋梗塞を、脳で起これば脳梗塞を起こしかねません。

戦後間もないころ、日本人の死因のトップは結核でした。現代の日本では結核で亡くなる方はきわめて少なくなりましたが、心疾患、脳血管疾患で亡くなる方の割合は未だ上位に居座り続けています。動脈硬化をいかに防ぐかについて関心が高くなるのも当然のことだといえるでしょう。

健康に対する多くの働きが期待できる青汁ですが、果たして脳梗塞を予防する効果についてはどうなのでしょうか。また、脳梗塞の治療中の方は青汁を飲んではいけないという意見がありますが、これは本当なのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

脳卒中、脳梗塞とはどんな疾患?

脳への血管が詰まったり破れたりすることで起こる脳の疾患を総じて脳卒中と呼んでいます。厚生労働省が発表した「平成23年 患者調査の概況」によれば、総患者数は全国で123万5,000人。その数はやや減少傾向にあるとはいえ、相変わらず非常に多くの方が脳卒中を発症していることになります。

脳卒中の主なものに、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあります。

脳梗塞

血管が狭くなったり詰まったりしてその先の脳細胞に酸素や栄養分が届かなくなり、損傷や壊死が起こるもの。「脳軟化症」と呼ばれることもあります。脳卒中の中で最も亡くなる方が多いのがこれで、この数十年では脳卒中による死亡者の半数から約70%近くを脳梗塞が占めています。

さらに脳梗塞は次の3つのタイプに分けられます。

・アテローム血栓性梗塞…頸部や頭蓋内の太い動脈が狭く、硬くなって詰まるもの。
・ラクナ梗塞…脳内の細い血管が詰まるもの。日本人の脳梗塞の約半数を占める。
・心原性脳塞栓症…心臓内でできた血栓が脳内まで運ばれ、そこで詰まりを起こすもの。

脳梗塞というと脳の血管に問題があると考えられがちですが、心原性脳塞栓症などのようにむしろ心臓に問題があって発症するケースもあります。このケースではそれまで問題のなかった血管が突然詰まるため、より重症になる可能性が高いと言われています。

脳梗塞は手足がしびれる、言葉が出なくなる、意識障害が起こるなどのはっきりした症状を伴います。全ての脳梗塞が急激に進行するものではありませんが、たとえ直ちに命を落とすようなケースではなくても重大な後遺症を残すことが多いため、脳梗塞が疑われる場合には一刻も早く診察を受ける必要があります。

脳出血

脳内の血管が破れて出血するもの。脳溢血とも呼ばれています。頭蓋内で起こる出血をまとめて脳出血と呼ぶこともあります。

かつては脳卒中で亡くなるといえば圧倒的に脳出血が多かったのですが、高血圧が主な原因であることが分かってからは対策が進み、年々その数は減少しています。ただ決して脳出血が珍しい病気になったわけではありません。脳卒中の中では30代、40代の若い世代に比較的起こりやすく、現在でも患者数は約17万人に上っています。

脳出血が起こると頭痛や吐き気、麻痺などが起こります。状態が進行すると意識を失うこともあります。脳梗塞と同様に後遺症が残ることが多いため、発作が疑われたら直ちに診察を受けましょう。

くも膜下出血

脳の表面にある血管が破れて脳を覆う膜の間「くも膜下」に出血するものをいいます。くも膜下出血というと、「まるでハンマーで殴られたかのような激しい頭痛」といった強烈な症状が思い浮かびますが、実は全てのくも膜下出血がこのような強い痛みを伴うわけではありません。

ただ、突然の頭痛や吐き気などの症状が起こり、これが長時間続くという特徴があります。程度が重い場合には麻痺や意識障害、呼吸の停止なども起こり得ます。

くも膜下出血は生命に関わるケースが多く、予後が良くありません。発作が起きたら一刻も早く救急車を呼んでください。

脳梗塞はなぜ起こる?

脳梗塞はその種類によって起こるメカニズムが異なっています。

アテローム血栓性梗塞は血管の中にコレステロールや老廃物などが付着し、動脈硬化を起こしている血管が非常に狭くなることで発症します。
ラクナ梗塞の場合にも動脈硬化によって血管内が狭くなりますが、その原因は主に高血圧です。また、重度の高血圧が長期間続くことで血管が壊死し、詰まって起こるケースもあります。

これらとはパターンが異なるのが脳塞栓症。詰まりを起こす血栓は不整脈などの心疾患が原因となるケースが多く見られます。高血圧の方が不整脈の一種である心房細動を合併することで脳塞栓症を起こす確率が高まるとも言われています。

これらのことから分かるとおり、どの種の脳梗塞でも動脈硬化の原因となり得る

・高血圧
・肥満
・糖尿病
・脂質異常症(高脂血症)

の4つは非常に重要な危険因子であると言えます。とりわけ高血圧に関しては脳出血やくも膜下出血など、脳卒中全般の原因にもなり得るため、より注意が必要になると言えるでしょう。さらには、

・喫煙
・過度の飲酒
・食生活の乱れ
・運動不足
・ストレス

なども脳梗塞のリスクを高めると考えられています。
この中で特に注目したいのが、食生活の乱れについてです。

食生活の変化が日本人の脳卒中を変えた

上でもご紹介したように、かつての日本では脳出血で亡くなる方の数が脳梗塞で亡くなる方の数を遙かに上回っていました。ところが2015年の調査では、脳梗塞で亡くなった方が6万6,058人であったのに対して、脳出血が3万2,550人と約半数になっています。
この大きな変化の理由は、

1.減塩による高血圧対策が功を奏し、脳出血を起こす人が減少した
2.食生活の欧米化によりカロリーや脂肪分の摂取が増え、脳梗塞のリスクが増した

という2つが同時に起こったことが原因だと考えられます。
これは脳卒中の発症に食生活がどれだけ大きく関係しているのかを示しているのと同時に、食生活を改善することで脳梗塞はある程度予防できることも指しています。

青汁は動脈硬化を予防する!

そこで注目したいのが青汁です。青汁は野菜成分が手軽に摂れ、栄養バランスの改善に効果的です。豊富な食物繊維により、ダイエット効果も期待することができます。

でも青汁の魅力はそれだけではありません。それは青汁に使用されている各原材料の成分に秘密があります。よく使用されているケール、大麦若葉、明日葉、桑の葉などに多く含まれている脳梗塞、動脈硬化に効果的な成分にはどのようなものがあるかをご紹介しましょう。

ビタミン類

ビタミンB群、C、E、β-カロテン、葉酸(ビタミンB9、またはM)には血液さらさら効果や動脈硬化を予防する働きがあります。これらは青汁のほとんどの原材料に含まれていますが、特に抗酸化作用が高いビタミンCはケールに、血流を良くするビタミンEは明日葉、大麦若葉に多く含まれています。

カリウム

カリウムは利尿作用を持つ代表的なミネラルです。体内の余分な水分や塩分を排出させる働きがあり、血圧を下げます。青汁の代表的な原材料にはどれもカリウムが含まれていますが、特に明日葉やモロヘイヤから多く摂取することができます。

セレン

必須ミネラルのひとつ、セレンには酸化を起こしやすい過酸化脂質の生成を抑える性質があります。コレステロール値を改善して動脈硬化を防ぐ働きがあります。青汁の原材料ではケールに多く含まれています。

クロロフィル(葉緑素)

強力な浄化作用を持つクロロフィルにはLDLコレステロールを減少させ、血圧を下げる効果があります。血液さらさら作用や血栓の予防効果があり、動脈硬化を予防する働きを持ちます。クロロフィルは緑色の野菜から摂取することができます。青汁の原材料なら明日葉や大麦若葉、小松菜、ほうれん草、緑茶などに豊富です。

食物繊維

水溶性食物繊維には血液中のコレステロールを吸着して排出する働きや血糖値を下げる効果があります。食物繊維は野菜に多く含まれているため、青汁なら(特別な加工が施されていない限り)しっかり摂ることができるでしょう。特に明日葉やモロヘイヤに多く含まれています。

SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)

血圧を下げ、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きを持つSODは強力な抗酸化作用を持つ酵素で、数多くの生活習慣病への対策に効果を発揮することから、今大いに注目されています。SODが摂取できるのは大麦若葉と明日葉。元々体内に存在する酵素ですが、年齢とともに少なくなるため、青汁で補うととても効果的です。

カルコン

明日葉に含まれる独自の成分で、非常に強力な抗酸化作用を持っています。
カルコンは抗メタボホルモンと呼ばれるアディポネクチンの分泌に関わり、血圧、血糖値、コレステロール値を下げて血液をさらさらに。内臓脂肪を減少させる作用もあります。

クマリン

明日葉に含まれるポリフェノールで、抗酸化作用により動脈硬化を防ぎます。血液をさらさらにする効果があり、血圧を下げます。体内の老廃物や余剰水分などが脂肪に絡まって作られると言われるセルライトを除去する働きもあります。

ルテオリン

明日葉に多く含まれるフラボノイドです。利尿作用があり、体内から余分な水分を排出して血圧を下げます。抗酸化作用も高く、動脈硬化を防ぎます。

1-デオキシノジリマイシン(DNJ)

桑の葉に多く含まれている成分です。摂取した糖の吸収を妨げる作用を持っており、食事前や食事中に摂取することで食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。動脈硬化の危険因子のひとつである糖尿病の治療に効果が期待される成分です。

Q3MG(クエルセチンマロニルグルコシド)

桑の葉に含まれるフラボノイドです。血糖値や血圧の上昇を抑え、動脈硬化が起こるのを防ぐ働きがあります。すでに起こっている動脈硬化の範囲を縮小させる効果についても研究が進んでいます。

単独で摂取するサプリメントとは異なり、青汁にはこれらの成分をバランスよく、しかも手軽に摂ることができる良さがあります。上記の成分の中には相互作用を持ち、お互いの効果を引き出し合うものもあるので、原材料が単独ではなく複数のものを組み合わせている青汁を選ぶのがお勧めです。

【注意】脳梗塞の人は青汁を飲んではいけない?

脳梗塞や動脈硬化の予防に様々な方向から効果が期待できる青汁。でも、ワーファリン(ワルファリン)という薬を服用している方は飲むのを控えたほうがいいでしょう。

ワーファリンは血液中に血栓をできにくくする薬で、脳梗塞の一種である脳塞栓症の方によく処方されています。一方、青汁にはビタミンKが含まれているものが多いのですが、これにはワーファリンに相反する作用があり、ワーファリンの効果を打ち消してしまいます。ちなみにビタミンKは納豆やクロレラにも多く含まれており、これらの食品も避けたほうが賢明です。

脳梗塞の治療中の方でも、ワーファリンを処方されていない方なら青汁を飲んでも問題はありません。ただし念のため、必ずかかりつけの医師や薬剤師に飲み合わせをご確認ください。

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