青汁で貧血が改善される?

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体が重い、疲れやすい、立ちくらみする……。このような症状が頻繁に起こる場合、貧血である可能性があります。女性の約2割を占めるという貧血。その改善に青汁が効果的であることをご存知でしょうか?
ここでは貧血改善のポイントと、貧血に対する青汁の効果について詳しくご紹介します。

貧血ってどんな病気?

貧血とは血液中のヘモグロビン濃度や赤血球の数が減った状態のこと。「血が薄くなった状態」と言えば分かりやすいでしょうか。

貧血状態になると、一般的に次のような症状が見られるようになります。

・動悸、息切れ
・疲労、倦怠感
・立ちくらみ、めまい
・頭痛、肩凝り
・イライラ
・顔面蒼白
・冷え性
・食欲不振
・耳鳴り
・枝毛、抜毛の増加
・爪の異常(スプーン爪、割れ爪など)

赤血球の中に存在するヘモグロビンは酸素の分子と結合し、肺に取り込まれた酸素を全身にくまなく行き渡らせる働きを持っています。そのため、ヘモグロビンが減ってしまうと体内は酸欠状態に。つまり上記の貧血の各症状は、体中が酸素不足になることから起こるものなのです。

しかしこれらの症状は他の原因でも起こり得るもので、1つや2つ該当する症状があったからといって、すぐに貧血と結びつけて考えない方も少なくないでしょう。また、貧血が緩やかに進行した場合には自覚症状が乏しくなりがちです。そのため、自分が貧血だと気づいたときにはかなり状態が悪化していたといったケースもしばしば見られます。

また、低血圧や脳貧血が貧血と混同されることがありますが、これらの状態は貧血とは全く別のものであるため、対策については分けて考える必要があります。

貧血の種類と原因

貧血というと総じて鉄分不足が原因であると思われがちですが、それだけで貧血になるわけではありません。貧血は主に次の4つの種類に分けることができます。

鉄欠乏性貧血

文字通り鉄分が不足することによって、赤血球の中のタンパク質であるヘモグロビンが十分に生成できなくなり起こる貧血です。貧血の中で最も多くのパーセンテージを占めるのがこの鉄欠乏性貧血。一般的に貧血と言えばほとんどがこのタイプのものを指し、特に女性に多く見られます。

再生不良性貧血

骨髄機能が低下することによって起こる貧血で、赤血球、白血球、血小板など全ての成分が減少するものをいいます。遺伝が原因と考えられるもののほか、後天性の中には原因不明のものもあり、難病のひとつとして厚生労働省により特定疾患に指定されています。

巨赤芽球性貧血

ビタミンB12や葉酸が不足することでDNAが合成されず、赤血球が減少して起こるタイプの貧血です。胃粘膜の萎縮によるビタミンB12が不足することで発症する悪性貧血も巨赤芽球性貧血の一種です。

溶血性貧血

赤血球が破壊されることで起こる貧血です。原因は赤血球そのものに異常があるケースのほか、細菌感染や血漿浸透圧の低下、毒物、アレルギー、抗酸化物質の不足などが考えられます。マラソンなどのスポーツ選手にもよく見られます。

貧血を改善するには?

<女性に貧血が多く見られる理由>
・毎月の月経によって継続的に一定量の血液を失うこと
・妊娠や授乳によって普段より多くの鉄分が使用される時期があること
・食が細い、もしくはダイエットなどで栄養そのものが不足すること

などが挙げられます。貧血の程度が重い場合にはもちろん治療が必要となりますが、特定の栄養成分が不足することによって起こる鉄欠乏性貧血や巨赤芽球性貧血に関しては食事療法によってかなりの改善が見込めるため、青汁が大いに役立ちます。

しかし、男性の貧血にも見られる次のようなケースの場合には、貧血の原因を作っている病気への対処が優先され、それと平行して不足している成分を補給するという形になります。

・潰瘍や癌など内臓の病気による出血
・胃の切除や胃酸の分泌の減少による鉄分吸収の低下
・肝硬変などによる溶血
・腎臓の機能低下による造血抑制
・痔による失血

女性に比べて割合の少ない男性の貧血ですが、その裏には何らかの病気が隠れていることも少なくありません。たかが貧血と考えず、まずは検査を受けるようにしましょう。

貧血の予防・改善に効果的な成分

まず、全ての食事療法の基本である「1日3食、栄養バランスのいい食事」を守るのは必須条件です。食事の量は摂取できるビタミンやミネラルに直結しますので、食事を抜いたり過度なダイエットをしたりするのは避けてください。

不足がそのまま貧血に繋がる鉄分の摂取を意識しなければならないのは言うまでもありませんが、ビタミンB12や葉酸、タンパク質の十分な摂取も欠かせません。このほか、造血、鉄分の吸収のために必要となるビタミンB2、B6、ビタミンCもしっかり摂るよう心がけましょう。

ここで重要なポイントとなる栄養素の働きと、それぞれどのような食材に多く含まれているのかをまとめてみます。

鉄は人の体への吸収が比較的よくない栄養素です。鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があるのですが、それぞれの吸収率は10~25%、2~5%程度で、それを考慮して鉄を摂取する必要があります。人の体内では1日に1mg(月経時には1.5mg)程度の鉄分が消費されると言われているため、成人男性では1日に7.5mg、月経のある女性では11mg、月経のない女性では6.5mgを摂取することが勧められています。

ヘム鉄を多く含む食材

豚肉・牛肉・鶏肉・レバー・かつお・まぐろなど

非ヘム鉄を多く含む食材

卵・貝類・大豆・ほうれん草・小松菜・ひじき・プルーン・レーズン・乳製品など

吸収率の高いヘム鉄が多く含まれる肉や魚をターゲットにすればよいのかと思われがちですが、非ヘム鉄が含まれる野菜や果物などにはビタミンや他のミネラルも豊富であるという別のメリットがあります。実際にはヘム鉄か非ヘム鉄かにこだわるより、様々な食材から鉄分を摂ったほうが効率的だと言えるでしょう。

ビタミンB12

ビタミンB12は「造血のビタミン」とも呼ばれる、ヘモグロビンの合成に関わるビタミンです。ビタミンB12はDNAの合成にも必要となるため、不足すると細胞分裂が正常に行われずに異常に大きな赤血球ができてしまう巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などを引き起こします。

成人では男女ともに、1日に2.4μgの摂取が推奨されています。多く摂っても体外に排出されてしまうので、過剰摂取の心配はありません。ただし胃の切除手術をした方は吸収が悪くなるため注意が必要です。

ビタミンB12を多く含む食材

牡蠣やしじみ、ほっき貝などの貝類、イクラ、焼き海苔、レバー、チーズ、納豆など

葉酸

「ビタミンB9」「ビタミンM」とも呼ばれる葉酸も、ビタミンB12とともに働く「造血のビタミン」です。不足することでビタミンB12と同様に巨赤芽球性貧血などを引き起こします。葉酸は体内に蓄積することができないため、とりわけ妊娠中や授乳中には十分な量を摂る必要があります。

アルコールによって吸収が阻害されるので、お酒の飲み過ぎには要注意です。葉酸の1日あたりの摂取推奨量は成人男性・女性ともに240μgですが、妊娠中の方の摂取推奨量は480μg、授乳中の方は340μgです。

葉酸を多く含む食材

レバー、モロヘイヤ、ほうれん草、アスパラガス、ブロッコリー、アボカド、いちご、納豆、ナッツ類、乳製品など

ビタミンB2、B6

ビタミンB2やビタミンB6は血液を作る助けになる栄養素です。一見貧血とはあまり関係ないように思えますが、これらも欠乏することのないように気をつける必要があります。ただしビタミンB6に関しては過剰に摂取すると感覚神経障害が起こることがあるため、定められた上限を超えないようにしてください。

ビタミンB2の1日あたりの摂取推奨量は、男性は18~49歳が1.6mg、50~69歳が1.5mg、70歳以上が1.3mg。女性は18~49歳が1.2mg、50歳以上が1.1mg、妊娠中の女性は1.5mg、授乳中の女性は1.8mgとなっています。

またビタミンB6の1日あたりの摂取推奨量は、成人男性が1.4mg、成人女性が1.2mg。妊娠中の女性は1.4mg、授乳中の女性は1.5mgが勧められています。(耐容上限量は、男性は18~29歳が55mg、30~49歳が60mg、50~69歳が55mg、70歳以上が50mg。女性は18~69歳が45mg、70歳以上が40mg。)

ビタミンB2を多く含む食材

卵、レバー、うなぎ、納豆、焼き海苔、モロヘイヤ、明日葉など緑黄色野菜全般

ビタミンB6を多く含む食材

にんにく、まぐろ、かつお、いわし、鶏肉(ひき肉、ささみ、胸肉など)、レバー、とうがらし、バナナ、ドライプルーンなど

ビタミンC

ビタミンCには鉄分の吸収率を何倍にもアップさせる作用があります。特に体内に吸収されにくい非ヘム鉄の吸収率を上げる働きにすぐれているので、ぜひ鉄分と一緒に摂取したい栄養素です。

ビタミンCが欠乏すると出血しやすくなるので、その点においてもしっかり摂っておくべき栄養素だといえるでしょう。ビタミンCの1日あたりの摂取推奨量は、成人の男女ともに100mg。妊娠中の方は110mg、授乳中の方は145mgとされています。

ビタミンCを多く含む食材

ピーマン、アセロラ、パセリ、ケール、モロヘイヤ、いちご、ブロッコリー、レモン、焼き海苔など

タンパク質

鉄分と違ってあまり注目されませんが、タンパク質はヘモグロビンの元となるほか、非ヘム鉄の吸収を高める性質があります。鉄分は十分摂っているはずなのに一向に貧血が改善されないといった場合には、タンパク質不足を疑ってみてもいいかもしれません。
タンパク質の1日あたりの摂取推奨量は、成人の男性が60g、女性が50g。妊娠中期の方は60g、後期の方は75g、授乳中の方は70gが勧められています。

タンパク質を多く含む食材

肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など

これらを全て食事から摂取できればいいのですが、全ての栄養素を毎日きちんと摂るのは至難の業。どうしても不足してしまう成分はサプリメントなどで補う必要があります。

これらの成分の多くは単独ではなく、いくつかを組み合わせることでより吸収率や働きが高まるものが少なくないため、コップ1杯でこれらの成分をまとめて摂れる青汁は、貧血対策に大いに期待できるというわけです。

貧血対策に適した青汁はどれ?

青汁のメイン素材としてよく使用されているケール、大麦若葉、明日葉、桑の葉。この中で最も多く鉄分が摂れるのは大麦若葉です。しかしケールや明日葉、桑の葉にも多くの鉄分が含まれているため、どの素材を選んでも一定の鉄分の摂取は期待できるでしょう。

このほか、ほうれん草や小松菜などにも鉄分が豊富なので、これらが配合されているものを選ぶのもいい方法です。

ただし青汁に含まれている鉄は吸収されにくい非ヘム鉄。そのため吸収を高めるビタミンCを一緒に摂るのが賢明だと言えます。上記の素材の中で最も多くビタミンCを含むのはケールです。

従って、鉄分摂取を目的とするなら、ケールの青汁が最も効率的。ビタミンCの多い柑橘系果汁やモロヘイヤが配合された青汁を選んでもいいでしょう。

とはいえ、前述したように貧血対策に必要なのは鉄だけではありません。例えばビタミンB12。ケールや明日葉、桑の葉にはビタミンB12がほとんど含まれていない一方で、大麦若葉にはビタミンB12が多く含まれています。また葉酸に関しては、ケール、明日葉、大麦若葉、明日葉に同程度の量が含まれますが、桑の葉はやや量が落ちます。

他のビタミンB群に関しては、B2が大麦若葉と明日葉に豊富で、B6はケールと明日葉が最も多く、次いで大麦若葉、桑の葉の順。これらを考え合わせると、大麦若葉のバランスの良さが目を引きます。

もうひとつ大切な栄養素であるタンパク質も青汁に含まれていますが、こちらはそれほどたくさんの量ではありません。タンパク質は乳製品や大豆製品に多く含まれているので、青汁を牛乳か豆乳に溶かして飲むのが良さそうです。

いずれの場合も、青汁だけで1日の栄養素を補えるわけではありません。あくまでもメインは食事で、青汁は足らない分をサポートするものとしてお考えください。

お茶が配合された青汁は貧血対策にはNG?

お茶の渋味成分タンニンは非ヘム鉄の吸収を妨げる性質があります。全く吸収されなくなるわけではないので「絶対にNG」ではありませんが、鉄分の効率的な補給を目指すなら、お茶が配合された青汁は避けたほうが良さそうです。

同様に、お茶やコーヒーと前後して青汁を飲むと鉄分の吸収が妨げられてしまいます。お互いの間隔を少し開けてから飲むようにすることをおすすめします。

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