青汁で糖尿病を予防できる?血糖値が下がる?

青汁で糖尿病を予防できる?血糖値が下がる?
血糖値が病的に高い状態にとどまり続ける糖尿病。平成24年に厚生労働省が行った調査より、糖尿病に罹っている方と糖尿病が強く疑われる方を合わせた数は日本全国で約950万人、その予備軍は1,100万人に上ると推定されています。

初期の頃には自覚症状が乏しいことから、血糖値が高めであることを知りながらも放置している方は少なくないと言われています。

しかし、糖尿病が悪化すると様々な合併症を引き起こすうえ、場合によっては命に関わる重大な病気を発症する可能性もあります。血糖値が高い方、正常の範囲内でも高めの方は、ぜひ正しい対策を取るようにしてください。

糖尿病には、多くが子供の頃に発病する1型糖尿病と、生活習慣病の1つとしてみなされる2型糖尿病とがあります。

そしてこの2型糖尿病において、青汁が効果的なのではないかと注目されています。果たして、青汁を飲むことが血糖値にどのように影響するのでしょうか。また、青汁を飲むことで糖尿病を予防することは可能なのでしょうか。

血糖値による糖尿病の診断基準

一般的な健康診断では朝食を抜き、血液検査を受けます。これは糖尿病の診断基準のひとつとなる「空腹時血糖値」を測るため。食事をした後では血糖値が上昇して正しい診断ができないため、検査の前の10時間は食事を摂らないようにします。ただし水やお茶(糖分の入っていないもの)は飲んでも構いません。

糖尿病を診断する方法としては、このほかにも次のような検査が行われています。

◎経口ブドウ糖負荷試験
75gのブドウ糖を飲んで意図的に食後の状態を作り、2時間後の血糖値「75gOGTT2時間値」を測るというものです。この方法で糖尿病の有無を判断します。その値を食後血糖値と呼ぶこともあります。

◎随時血糖検査
食事からの時間を設定せず任意のタイミングで測るもので、「随時血糖値」と呼ばれます。

▼血糖値の診断基準(単位:mg/dL)

空腹時血糖 75gOGTT2時間 随時血糖
低血糖症 60未満 60未満
正常型 60~110未満 60~140未満
境界型 110~126未満 140~200未満
糖尿病型 126以上 200以上 200以上

いずれの場合にも正常型の範囲内であれば「正常」と判定されますが、ひとつでも糖尿病型の数値を示した場合には「糖尿病型」と判定されます。この検査は日を変えてもう一度行い、さらにその際にも「糖尿病型」であった場合には、その方は「糖尿病」ということになります。

なお、「境界型」は糖尿病には該当しませんが、このままではいずれ糖尿病になる可能性が高いと考えられます。境界型の段階なら糖尿病の予防は比較的容易なので、検査結果に安心することなく生活習慣を見直してみることが求められます。

欧米型の食習慣が糖尿病を引き起こす?

糖尿病のなりやすさには遺伝や体質が少なからず関係しているとされています。それに加え、1型糖尿病が生活習慣とは関係なく発症することがわかっている一方で、2型糖尿病では肥満や運動不足、ストレスなどの普段の生活が発病への大きな鍵になっていると考えられています。

日本人の糖尿病の有病率・罹患率と、アメリカにおける日系移民の糖尿病有病率・罹患率を比較したところ、日系移民のほうが2~3倍も高い数字を示したという調査結果があります。

人種的には同じでありながら、数字にこれほどの差が出た背景には、生活習慣、とりわけ欧米型の食生活の中に血糖値を上昇させる要因があることが伺い知れます。

これまで続けてきた生活習慣を変えるのは決して簡単なことではありませんが、逆に言えば、努力次第で血糖値はある程度コントロールできるということでもあります。基本的に糖尿病自体は一旦罹ってしまうと完治することはないと言われていますが、薬が不必要な状態でキープできることは決して少なくないのです。

血糖値を正常値に下げるためにすべきこと

2型糖尿病と診断されてもそれほど重度のものではない場合には、いきなり薬を使うのではなく、まずは運動療法と食事療法とを平行して行うことになります。これらの療法とはどんな内容なのかを簡単にご紹介しましょう。

運動療法

合併症を起こしていない糖尿病の方に勧められる療法です。余剰なカロリーを消費して肥満を解消するほか、継続的な運動によってインスリン抵抗性の改善に効果が期待できます。ウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」と、スクワットや腕立て伏せなどの「筋力トレーニング」の組み合わせが有効で、少なくとも週に3回、できれば毎日30分程度の運動を続けることが望ましいとされています。

運動療法については行ってはいけない場合もありますので、必ず医師の指示に従うようにしてください。

食事療法

血糖値の改善のために、運動と並ぶ柱となるのが食事療法です。糖尿病対策のためには1にも2にも摂取カロリーをコントロールすることが重要。とは言っても食事を抜いたり過激なダイエットに走ったりするのではなく、1日3食を規則正しく食べ、栄養のバランスがしっかり取れるように心がけます。

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜は1日に350g以上、中でも栄養価にすぐれた緑黄色野菜は毎日100g以上(目標は120g)摂りたいところ。脂分は摂り過ぎないに越したことはありませんが、ビタミンEなどの摂取効果を高める働きもあるので、動物系ではなく植物系の油を使うなど上手に摂るように工夫しましょう。
原則として禁酒、糖類が多く含まれる甘いお菓子などはできるだけ控えます。

野菜を手軽に補える青汁

血糖値を下げるためのポイントのひとつとなるのが野菜の摂取です。ただ毎日野菜を350g、うち緑黄色野菜を100g以上食べ続けるのは簡単なことではありません。

そこで注目されるのが、コップ1杯でたっぷりの野菜成分が摂れる青汁なのです。では青汁のどんな点が糖尿病対策においてすぐれているのかを具体的にご紹介しましょう。

青汁は各栄養成分がバランス良く摂れる

血糖値を正常化するために効果的なビタミンと言えばB群、C、E、β-カロテン、葉酸。そしてミネラルでは亜鉛、マンガン、クロム、リン、カリウムなどが挙げられます。

これらの成分は単独で効果を発揮するというよりは、互いの複合作用でパワーアップする性質を持っているため、例えばサプリメントで補う場合でも「ビタミンCだけ」「Eだけ」という摂り方をするよりマルチビタミンで摂取したほうが効率的です。

その点、青汁は、ドリンクタイプのマルチビタミン・ミネラルと言っても過言ではないほど、各成分をバランスよく摂ることができます。

青汁は食物繊維が豊富

青汁に多く含まれている食物繊維はわたしたちの健康にさまざまな恩恵をもたらしてくれます。よく知られているのは便秘を解消する効果ですが、実は水溶性食物繊維は食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きを持つことがわかっています。

水溶性食物繊維には同時にコレステロール値の上昇を抑える作用や血圧を低下させる作用があるので、青汁は総合的なメタボリックシンドローム対策にとても有益だと言えるでしょう。

なお、青汁の中には血糖値の上昇を抑えるということで特定保健用食品(トクホ)にも指定されている「難消化性デキストリン」を配合しているものがありますが、これも水溶性食物繊維の仲間です。

青汁は糖分が少ない

青汁でなくても「野菜をカバーするなら野菜ジュースでもいいのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。野菜ジュースの中には飲みやすくなるよう果汁などをプラスして甘い味に調整されているものがあります。

そのようなジュースは血糖値を抑えるために避けるべき糖類が多く含まれているので、血糖値を気にする方が飲むには適していません。

一方、ほとんどの青汁には糖分がそれほど含まれていないため、糖尿病の方でも安心して飲むことができます。ただし青汁にも果汁やハチミツ、甘味料などが使用され、糖分を多く含む商品がありますので、購入前によく青汁の原材料をチェックするようにしてください。

血糖値の抑制に効果的な成分

上でご紹介したメリットは多くの青汁に共通するポイントなのですが、青汁の原材料になるものの中には血糖値の上昇に対してさらに効果的な独自の成分を含んでいるものもあります。

糖尿病対策のために青汁を飲む場合には、このような成分が含まれた製品を選ぶとよりよい効果が期待できます。

DNJ(1-デオキシノジリマイシン)

「糖尿病の治療薬と同等の効果を持つのでは」との声もある期待の成分DNJ。桑の葉に含まれる独自の成分です。ブドウ糖と似た化学構造を持っており、消化酵素αグルコシダーゼと結びつくことで、本物のブドウ糖が吸収されるのをブロックします。そのため、食事前の摂取が効果的です。

Q3MG(クエルセチンマロニルグルコシド)

Q3MGはLDLコレステロールの酸化の抑制、動脈硬化の予防に有用であることが知られていますが、様々な実験により、食後の血糖値を抑制する作用があることもわかってきました。こちらも桑の葉だけに含まれる成分です。

SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)

強力な抗酸化作用を持っており、活性酸素を除去する力にすぐれていることが知られる成分。このSODにも食後の血糖値の上昇を抑制する作用があることが報告されています。青汁の材料によく使用されている大麦若葉と明日葉に含まれています。

カルコン

明日葉に含まれる黄色い色をした成分。インスリンの働きを改善し、助ける作用を持つカルコンには直接的に血糖値の上昇を抑える効果が期待されます。糖尿病の症状のひとつに喉の渇きがありますが、この改善にも効果が見られるという調査結果もあります。

カルコンにはこのほか血圧やコレステロール値、内臓脂肪量を低下させることもわかっています。

コロソリン酸

「植物インスリン」とも呼ばれ、体内でインスリンと似た働きをするコロソリン酸。血糖値だけではなく、糖尿病のもうひとつの判断基準となるヘモグロビンA1c(糖化ヘモグロビン・血中のヘモグロビンとブドウ糖とが結合したもの)の値も抑制します。コロソリン酸を含むものではバナバがよく知られていますが、ゴーヤにも多く含まれています。

チャランチン

ゴーヤに含まれる苦味成分。このチャランチンは糖尿病の治療薬とよく似た働きをすることで、血糖値を下げると言われています。

このように、青汁には糖尿病の予防・改善にきわめて魅力的な成分がたくさんつまっています。食事だけでは補いきれない成分は、ぜひ青汁で補給しましょう。

ただし、青汁は薬ではありません。現在糖尿病の治療中の方は、青汁を飲むからといって薬をやめてしまうのは、くれぐれも避けてください。あくまでも、食事療法の一環として、青汁をお役立てください。

このページの先頭へ