青汁の原料「キダチアロエ」の効果は?

青汁の原料「キダチアロエ」の効果は?
昔から「医者いらず」と言われて重宝されてきたアロエ。日本のみならずヨーロッパでは古代から薬草として、また中国でも漢方薬の一種として広く用いられてきました。青汁にもキダチアロエを使用しているものがよく見かけられます。このキダチアロエとは、どのような効果・効能を持っている植物なのでしょうか。

アロエの種類

アロエというとキダチアロエとアロエベラがよく知られていますが、この他にも500種類を超えるほどの種類があることがわかっています。アロエはユリ科の多年草で原産はアフリカ北部、大西洋上の島々、アラビア半島など。地球上のきわめて広い地域で見かけられ、日本でも小型種のキダチアロエがよく栽培されています。

キダチアロエ

アロエの原産国は年間を通して気温が高く乾燥している場所。しかし日本でもよく見かけるキダチアロエは寒さや湿気に強く、日本の気候にもよく合う品種です。主に観賞用、薬用として育てられ、その形がまるで木立のように見えることからキダチアロエと呼ばれるようになったと言われています。よく「アロエは苦い」と言われますが、それは葉の外皮の部分。内部のゼリー状の部分には苦味はありません。

アロエベラ

キダチアロエと比較して葉が大きく厚みがあり、葉の内部のゼリー状部分が多いアロエベラ。食用として育てられることが多く、その際には葉の外側を取り除いて内部のゼリー状の部分だけ食します。ヨーグルトに入れたり刺し身のようにして食べたりすることもあります。欧米で見かけるのはもっぱらアロエベラのほう。葉肉は保湿力が高く、化粧品や医薬品にも用いられています。

ケープアロエ(アロエ・フェロックス)

日本薬局方にも掲載され薬用として使われるアロエ。健胃作用、緩下作用が認められています。

キダチアロエの栄養成分

北アフリカの厳しい環境で育つアロエには多種多様な栄養成分が含まれています。その種類、なんと200種以上! ビタミン、ミネラル、アミノ酸はもちろんのこと、その他にアロエ独自の成分がたくさん含まれているのが大きな特徴です。

これらの栄養成分は単独ではなく、お互いに相乗効果を持って働くため、アロエの健康効果のことを「シンフォニー・オーケストラ効果」と呼ぶこともあります。

キダチアロエとアロエベラの違い

キダチアロエもアロエベラもケープアロエも同じアロエの仲間ですので、含まれている栄養成分はかなり似ています。しかし、それぞれのアロエにしか含まれない成分もありますし、同じ成分でも含まれる量が異なるものもあります。また、アロエベラのように葉の表面部分を取り除いて摂取するのであれば、当然、表面にしか含まれていない成分を摂ることはできません。

アロエベラも民間療法ではよく使用されていますが、現時点で医薬品として使用されるのはケープアロエのみ、その成分に薬効があるとわかっているのはキダチアロエとケープアロエのみであることに注意しましょう。

キダチアロエに含まれる栄養素とその働き

ビタミン

β-カロテン

肌や粘膜を正常に保つ。免疫力を高める。目の健康を保つ。抗酸化作用。

ビタミンB1、B2,B6,B12

炭水化物、脂質、たんぱく質を代謝してエネルギーを生み出す。
脳、神経、皮膚、粘膜などを正常に保つ。

葉酸

赤血球、DNAの合成に必須となるビタミンB群のひとつ。
動脈硬化を予防し脳卒中、心筋梗塞、認知症のリスクを下げる。抗酸化作用も。

ビタミンC

別名「美容のビタミン」。
肌、粘膜、血管などの健康を保つ。免疫力を高める。貧血を予防・改善する。抗酸化作用。

ビタミンE

別名「若返りのビタミン」。
血行を改善する。肌を美しく保つ。抗酸化作用。

ミネラル

カリウム

利尿作用により高血圧やむくみを予防する。筋肉を正常な状態に保つ。

カルシウム

骨や歯を作る。筋肉を正常な状態に保つ。精神を安定させる。ストレスに対抗する。

マグネシウム

カルシウムとの相互作用により骨や歯を丈夫にする。
筋肉を正常な状態に保つ。血圧を下げる。精神を安定させる。

リン

骨や歯を作る。糖の代謝を助ける。

赤血球を作り貧血を予防・改善する。免疫力を高める。体調維持。脳の活性化。

亜鉛

たんぱく質の代謝。細胞の分裂・合成。味覚を正常に保つ。抜け毛予防・発毛促進。

クロム

血糖値、コレステロール値、血圧を下げる作用。炭水化物、脂質、たんぱく質の代謝。

アミノ酸

トリプトファン

睡眠サイクル正常化(不眠症改善)。うつ病改善。精神の安定。抗酸化作用。

酵素

アロエカルボキシペプチダーゼ

抗炎症作用。胃粘膜修復作用。抗腫瘍作用。

プロテアーゼインヒビター

胃の中でたんぱく質を分解するペプシンの働きを阻害する。
胃粘膜保護作用。抗炎症作用。

アロエレクチン

動脈硬化の予防・改善。新陳代謝の活性化。アンチエイジング。
免疫力の向上。むくみ解消。関節炎の改善。抗炎症作用。

糖類

キシロース

血糖値・中性脂肪・血圧を下げ動脈硬化を予防する。便秘解消。ダイエット作用。
※水溶性食物繊維の一種。

・ムチン

胃粘膜保護作用。抗炎症作用。免疫力向上。抗癌作用。
アンチエイジング。疲労回復。
※納豆、山芋、オクラなどにも含まれるネバネバ成分。

その他

アルボランA・B

食後血糖値の上昇を抑制する。

アロイン

腸の蠕動作用を促し、強い便秘解消作用を持つ。
殺菌作用。二日酔い防止。血圧を下げる。
※アロエの葉の表面部分に含まれる苦味成分で、葉肉部分には含まれない(つまりアロエベラには少ない)。抽出成分はバルバロインと呼ばれる。

アロエアルボナサイド
動脈硬化の予防・改善。血圧を下げる。
※アロエベラにはごくわずかしか含まれていない成分。

アロエウルシン(乳酸マグネシウム)

胃潰瘍、十二指腸潰瘍などへの抗腫瘍作用、抗炎症作用。胃粘膜修復作用。胃癌の予防。※アロエベラには含まれない成分。

アロエエモジン

健胃作用。便秘解消。抗腫瘍作用。

アロエシン

抗菌作用。美肌・美白作用。

アロエチン

解毒作用。抗炎症作用。抗腫瘍作用。美肌・美白作用。抗菌・殺菌・防カビ効果。
※アロエベラには含まれない成分。

アロエニン

健胃・制酸・消化促進作用。便秘解消。抗炎症作用。
※アロエベラには含まれない成分。

アロエマンナン

アンチエイジング作用。血行改善作用。免疫力の向上。抗腫瘍作用。癌予防。

アロクチンA

ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性化、抗癌作用について研究が進められている。
胃粘膜修復作用。抗腫瘍作用。抗炎症作用。

アロミチン

抗癌作用。解毒作用。抗菌・防カビ作用。

ホモナタロイン

健胃作用。便秘改善。美肌・美白作用。

キダチアロエにはほとんど含まれない成分

アロエの有効成分の中には葉肉のゼリー状部分にしか含まれていないものもあります。キダチアロエは葉肉部分が少ないため、そうした成分はアロエベラからしかほとんど摂取できません。葉肉部分に含まれる栄養成分を摂りたい場合には、キダチアロエではなくアロエベラを選ぶようにしましょう。

サポニン

コレステロール・中性脂肪・血圧を低下させる。抗菌作用。

アロエステロールR

血糖値の上昇を抑え、インスリン抵抗性を改善することで糖尿病を予防・改善。
中性脂肪(体脂肪)を減らす。
ヒアルロン酸、コラーゲンの量を増やし、肌のハリや潤いを改善する。
※森永乳業が発見した話題の新成分で5種の植物ステロール。アロエベラにもわずかしか含まれない希少成分。

キダチアロエの効果まとめ

キダチアロエに含まれる栄養成分の働きから、キダチアロエには次のような効果が期待できると言えます。

便秘解消

キダチアロエにはアロイン(バルバロイン)、アロエエモジン、アロエニンなど緩下作用を持つ成分が多く含まれています。その作用は、摂る量によっては「下剤」と言えるほど。大きな効果が期待できますが、胃腸の調子によっては刺激が強く、下痢になる場合もあります。

胃炎、胃潰瘍、胃癌の予防

キダチアロエには胃粘膜を保護・修復したり健胃作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用を持つ成分が多く含まれていることから、胃炎や胃潰瘍の予防・改善が期待できます。また免疫力を向上させる働きを持つものも多いため、胃癌の予防についての研究も進められています。

生活習慣病の予防

キダチアロエには血糖値や中性脂肪、血圧を下げる成分や動脈硬化を防ぐ成分が豊富に含まれています。そのため、脳卒中や心筋梗塞といった病気のリスク低減が期待できます。

肝機能の向上

肝臓の機能を高めることによって健康維持、毒素の排出や二日酔いの予防などが期待できます。

ダイエット

キダチアロエには代謝を高め内臓脂肪を減らす働きを持つ成分や、むくみを解消する成分が含まれています。ダイエットのサポートにも活用することができます。

アンチエイジング・美容効果

肌を美しくする成分や美白成分も豊富なキダチアロエ。抗酸化作用のある成分も多く、若々しく健康的な心身を保ちます。

キダチアロエの副作用

ご紹介したようにキダチアロエに含まれる成分には様々な効果があります。しかし、効果の高い成分があまりにたくさん含まれていることから、場合によっては「効きすぎる」可能性も出てきます。古くはクレオパトラの時代から重宝されてきたアロエならではの作用だといえるでしょう。

ではキダチアロエはどのような点に注意して摂ったらいいのでしょうか。キダチアロエの副作用についてまとめてみました。

妊娠中には摂ってはいけない

アロエに含まれているアロエエモジンには子宮収縮作用があるため、摂取によって流産や早産につながる可能性があります。ヨーグルトに少量のアロエベラが入っている程度では問題はないと考えられますが、万全を期するために妊娠中にはアロエは避けたほうが賢明です。

生理中にも摂らないほうがいい

キダチアロエには骨盤内を充血させる成分が含まれています。出血が多くなる可能性があるため、生理中の摂取は控えたほうがいいでしょう。

胃腸障害のあるときには摂らない

キダチアロエには胃腸を刺激する成分が多く含まれています。特に葉の表面の緑色の部分に含まれるアロインは非常に強い成分で、場合によっては胃炎を起こしたり下痢や腹痛の原因になることもあります。胃痛や腹痛のあるときには摂取を避けましょう。

痔疾、腎臓障害のある場合は使えない

キダチアロエは痔疾、腎臓障害に対しては禁忌とされています。何らかの理由から処方されたケース以外では使用しないようにしましょう。

8日~10日を超えて使用しない

キダチアロエは長期の連用により大腸に色素沈着を起こすことがあります。8日~10日を超えての連用はお勧めしません。

子供の使用、授乳中の使用は避ける

キダチアロエは作用が強いため、12歳以下の子供に使用するのは勧められません。また、母乳を通しての摂取を避けるため、授乳中の摂取も避けたほうがいいでしょう。

アレルギーの疑いがある場合は摂取をやめる

キダチアロエはアレルギーを引き起こすことがありますので、疑わしい場合には速やかに使用をやめてください。
特に塗布する場合、キダチアロエにはシュウ酸カルシウム(山芋にも含まれる痒みを起こす成分)が入っているため、かぶれることがあります。

※キダチアロエの安全性に関しては国立健康・栄養研究所のサイトでも情報が公開されています。
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail109.html

キダチアロエを安全に、おいしく摂取するために

キダチアロエは生や濃いエキスで摂取するのが胃腸にとって最も大きな負担になります。生で食べるなら1日に15gまで、粉末状なら0.6gまで、ジュースなら30mlが限度です。この量を超えないようにしましょう。

アロエベラは大型で葉肉の部分も多いのですが、キダチアロエは小さいため、緑色の葉の表面部分もそのまま使うことがほとんどです。しかしこの緑色の部分に苦味があります。確かにその部分に豊かな薬効があるのですが、キダチアロエをそのままの形で食べるのはなかなか難しいでしょう。

(アロエベラの葉肉部分には苦味こそありませんが、青臭さがあり、それほどおいしいものではありません。そのまま食べるならハチミツをかけると食べやすくなります。)

このように、効果に関しては魅力があるけれど、そのままではちょっと食べにくく、健康へのリスクも気になってしまうアロエ。成分を安全に摂り入れるなら、青汁はとても合理的な方法だと言えます。青汁に含まれているものであれば、子供やお年寄りが飲んでもまず問題はありません。アロエのパワーを余すことなく摂り入れたいなら、ぜひキダチアロエ入りの青汁を試してみてください。

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