青汁はアトピー性皮膚炎に効果はあるの?

青汁はアトピー性皮膚炎に効果はあるの?
「青汁がアトピー性皮膚炎の症状改善に効果を発揮する可能性がある」……平成16年、とある青汁メーカーが日本栄養・食糧学会で行った発表は、以前から青汁にかけられていた大きな期待に沿うものでした。

広い部位に現れる湿疹と強いかゆみを繰り返すアトピー性皮膚炎。その患者は年々増え、把握されているだけでも40万人、20歳以下の若い年代では10人に1人がアトピー体質であると言われています。

未だ原因が解明されず、多くの人を悩ませ続けるアトピー性皮膚炎に対して、青汁は果たしてどのように働きかけていくのでしょうか。

青汁習慣でアトピーが改善する!?

青汁がアトピー性皮膚炎に効果的であるという研究結果を発表したのは、化粧品やサプリメントなどでよく知られ、自身でもケールの青汁を販売しているファンケル。

ファンケルは多くの試験・調査により、ケールの青汁を飲む習慣がわたしたちの体に次のような変化をもたらす可能性を突き止めました。

1.血液中の好酸球数の減少

血中好酸球数とは血液中の白血球のひとつ。アレルギー反応を起こすことで好酸球数は上昇します。好酸球数の正常値は450/μL以下なのですが、アトピー性皮膚炎の症状にある程度比例する形で好酸球数は増え、症状が強い場合には1,000/μLを超えるケースも見られます。

試験結果では、ケールの青汁を習慣として飲んでいるアトピー性皮膚炎の患者さんでは、血中好酸球数が正常値に近い数値にまで減少していることがわかりました。また、同時に行われたアトピーではない方の検査においても、青汁を飲んでいる方のほうが飲まない方よりも血中好酸球数が少ないことを確認しています。

好酸球数はアトピー性皮膚炎のみに関わる数字ではない(喘息やアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、またリウマチや癌などでも上昇する)こと、数字の大小と症状との関係は目安にしかならないことから、これだけでは「青汁がアトピー体質を改善する」とまでは断言できません。

ただ、好酸球そのものが皮膚に炎症を起こすという研究結果もあり、血中好酸球数の減少がアトピー改善に繋がることは大いに期待できると言えそうです。

2.血清総IgE値の減少

アトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギーのひとつの基準となるのがこの血清総IgE値。小さな子供はこの数値が低く、7歳ごろに大人と同程度の数値に達します。基準値は大人で170IU/mL以下。アトピー性皮膚炎を発症している方の約8割程度の方が、この基準値を超える数値を示すと言われています。

ファンケルの実験結果から、ケールの青汁を習慣化して飲んでいるアトピー性皮膚炎の患者さんは、この血清総IgE値が下がっていることが確認されました。

3.角質水分量の上昇

アトピー性皮膚炎を発症している方の角質層からは、細胞と細胞との間を埋めるセラミドなどの角質細胞間脂質が失われ、本来保たれているはずの水分が容易に蒸発してしまいます。肌の表面がかさかさの状態になり、ほんのちょっとの刺激でも強い痒みや炎症を引き起こしてしまうのはこのためです。

調査ではアトピーのある方とない方、青汁を飲んでいる方と飲んでいない方の頬の角質層の水分量を計り、どちらの肌の状態でも青汁を飲んでいるほうが角質の水分量が多いことを確認。

また、アトピーがあって青汁を飲んでいる方と、アトピーではなく青汁を飲んでいない方との比較では、ほぼ同程度の水分量であったことが分かりました。

調査時点での角質の水分量からそのまま体質改善という結果を導き出すことはできませんが、少なくとも痒みや炎症を起こしにくくするという点でアトピー性皮膚炎の症状緩和に、青汁が役立っているということは言えそうです。

3つの方向から効果を引き出す青汁

現在に至るまで、アトピー性皮膚炎の原因は明らかになっていません。ただ考えられているのは、多くのケースでアトピーの原因はひとつには限定されず、複数の原因が重なり合って発症するのではないかということです。

青汁はそれらの原因のいくつかに働きかけることが期待できます。さきほどご紹介したのはケールの青汁についての研究結果でしたが、ケール以外の原材料、例えば大麦若葉や明日葉、桑の葉などを使用した青汁にもアトピー性皮膚炎への効果は大いに期待できるのです。

1.青汁で免疫力を高める

細胞の酸化を抑え、アンチエイジング効果を発揮することで知られる抗酸化成分には免疫力を活性化させる働きもあります。抗酸化物質の代表的な存在はビタミンではA(β-カロテン)、C、E。このほかフラボノイドなどのポリフェノールやセレンなどのミネラル等が挙げられます。

また、直接免疫力を高めるものに亜鉛や銅などのミネラルやクロロフィル(葉緑素)、β‐グルカンがあり、青汁を飲むことによってこれらの成分も摂取することができます。

【各青汁注目の成分】
ケール…ビタミンA、ビタミンC、葉酸、ルテイン、セレン
大麦若葉…β-カロテン、ビタミンE、銅、クロロフィル、β‐グルカン、SOD
明日葉……銅、カルコン、クマリン、ルテオリン☆

免疫力を上げる効果を持つ青汁というとケールや大麦若葉が注目されますが、明日葉には最も強い抗アレルギー作用を持ち、アトピーや喘息などの改善に効果を発揮すると言われるフラボノイド「ルテオリン」が含まれています。

2.青汁で毒素を排出する

体内に入った毒物やたまった老廃物もアトピーの原因のひとつと考えられています。この毒物や老廃物を解毒したり排出させたりすることがアトピー改善に繋がるとも言われています。

毒素や老廃物の排出に効果を発揮するものに食物繊維、亜鉛、セレンなどがあります。
また、毒素の排出や解毒に関わる肝臓・腎臓の働きをサポートする成分にビタミンC、Eがあります。

このほか、ケールには非常に強い解毒作用を持つ「スルフォラファン」という成分が含まれています。スルフォラファンは強い抗酸化作用・免疫力向上作用も併せ持っており、アトピーのほかにも喘息、花粉症などに有効として研究が進められています。

そして、「まずは体内に異物を入れないことを重視したい」という場合には、青汁の原材料が化学肥料や農薬を使用しない有機栽培で育てられたものを選ぶようにしてください。厳しい基準をクリアした有機JASに認定されたものなら、なお安心でしょう。

3.青汁で腸内環境を整える

アトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー症状は普段の食事に大きく左右されると言われています。また、人間の免疫細胞の約6割は腸の中に存在しています。この2つのことから、腸内環境を改善することがアトピーなどの改善に繋がると考えられます。

腸内環境を整える成分といえば、まず挙げられるのが食物繊維。老廃物やコレステロールなど体にとっての不要物を吸着して便を増やすほか、腸の蠕動運動をうながし、スムーズなお通じへと導きます。

抗菌・殺菌作用にすぐれるクロロフィル(葉緑素)にも腸内の善玉菌を増やし、便通を整える働きがあります。クロロフィルは大麦若葉や明日葉、桑の葉に豊富に含まれるほか、ケールや小松菜、緑茶、今話題のミドリムシなどにも多く含まれています。

腸内環境を改善するにはビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖などの摂取も有効です。即効性を求めるなら、これらが配合された青汁を選んでも良いですし、ヨーグルトなどに混ぜていただくというのもひとつの方法でしょう。

青汁をアトピー治療のサポートに

医学が発達している現代においても、未だにはっきりとした治療法が確立されていないアトピー性皮膚炎。

青汁の成分にある素晴らしい効能については続々と解明されてはいるものの、それが即、アトピーの特効薬とはならないというのもまた事実です。

まずは現在受けている治療を続け、それを補助するものとしてぜひ青汁を試してみてください。免疫力の強化や腸内環境の向上が、きっとアトピー体質の改善にも役立つはずです。

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