青汁は動脈硬化の予防に効果がある?

青汁は動脈硬化の予防に効果がある?
「死の四重奏」という恐ろしい呼び名でも知られるメタボリックシンドロームは、中性脂肪、コレステロール値の異常、高血圧、高血糖、肥満のいずれか2つ以上を合併したもの。長年にわたって日本人の死因の上位を占めている心疾患や脳血管疾患のリスクを大きく高めるものとして、深刻な社会問題にもなっています。

狭心症や心筋梗塞に代表される虚血性心疾患や、脳卒中、脳梗塞などを主とする脳血管疾患の原因となるのが動脈硬化です。つまり動脈硬化の予防や進行を食い止めることが、そのまま死亡リスクを引き下げることにつながるわけです。

この動脈硬化対策に、野菜成分がそのまま摂取できる青汁が効果的であると言われています。青汁が動脈硬化対策としてどのような働きをするのかを見てみることにしましょう。

動脈硬化の原因は?

酸素や栄養成分を運ぶ血液は、動脈を通って全身を巡っています。動脈は本来弾力があり、ある程度の強度を保っているのですが、血管の内側にコレステロールや中性脂肪が付着することで血管は硬くなり、弾力性が失われてしまいます。これが動脈硬化です。

動脈硬化が進行すると、血管にコブのような隆起(プラーク)ができたり血栓ができたりして、血液が流れにくくなります。重度になると患部から先の部分に血液が行き届かなくなり、細胞が酸欠状態、栄養不足に。最悪の場合、やがて細胞が壊死する可能性もあります。

また、動脈硬化に高血圧や糖尿病が加わると、血管の内壁に重い負担がかかります。この状態が続けば、やがて破裂する可能性もあります。細胞の壊死や血管の破裂が脳で起こったものが脳卒中(脳梗塞・脳出血など)、心臓で起こったものが虚血性心疾患(心筋梗塞など)であるというわけです。

動脈硬化そのものには自覚症状はありません。そもそもメタボリックシンドロームのリスク要因となる肥満以外は、基本的に初期段階での自覚症状がきわめて乏しい病気です。知らぬ間に静かに進行していく、それが動脈硬化の恐ろしさでもあります。

動脈硬化を予防する青汁の成分とは?

青汁には動脈硬化対策になる成分が非常にたくさん含まれています。その中で代表的なものをまとめてご紹介します。

ほとんどの青汁に含まれている成分

食物繊維

腸内を掃除して便秘を解消する働きがよく知られる食物繊維は野菜に多く含まれる代表的な成分のひとつです。水分を含んで腸内に長くとどまることから満腹感が続き、過食を防ぐためダイエットに役立ちます。

食物繊維にはコレステロールを吸着して排出する作用があります。また、糖の体内への吸収を緩やかにする作用もあり、食後の血糖値の急激な上昇を抑えます。

さらには塩分を排出しやすくする作用もあることから血圧の上昇が抑えられます。野菜をしっかり食べることが生活習慣病を予防するとよく言われますが、このように動脈硬化に対して多角的に働きかける食物繊維の存在が多いに効いているわけです。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE

これらを合わせて「ビタミンエース(ACE)」などと呼ぶことが多いほど、この3つのビタミンには強力な抗酸化作用があります。それぞれ高い抗酸化力を持ち、悪玉コレステロールの酸化によって血管内に隆起(プラーク)を発生させる過酸化脂質の生成を抑える働きがあるため、動脈硬化対策には直接的なメリットの大きい成分だと言えます。

特にビタミンCの抗酸化作用は強力で、動脈硬化対策にはきわめて有益です。またビタミンEには血管拡張作用があることから、効果的に血圧を下げることができます。

葉酸(またはビタミンM、B9)

妊活中、妊娠中、授乳中の女性に積極的な摂取を呼びかけられている葉酸ですが、不足することで血栓が作られやすくなる性質があります。そのため、動脈硬化を予防したい方なら年齢、性別問わず摂取することが望ましいでしょう。

葉酸は葉物野菜に多く含まれるため、一見摂取しやすいようにも思えます。しかし葉酸は熱や光に弱いことから、「食べているつもりでも実は意外と摂れていなかった」ということがよくあります。効率を考えるのなら青汁やサプリメントでの摂取が適しています。

亜鉛

ミネラルの中ではどちらかと言うと地味な存在の亜鉛ですが、これが欠乏するとわたしたちの体に広範囲にわたる影響を及ぼします。そのひとつが酵素の働きを阻害してコレステロールの血管への沈着を進めてしまうこと。亜鉛はコンスタントな摂取が比較的難しく、不足しやすいため、青汁などで意識して摂取したい成分です。

しかし、過剰に摂取すると反対に善玉コレステロール値が低下したり、せっかく摂取したSOD酵素などの働きを弱めたりする性質もあることがわかっています。毎日過不足なく亜鉛を摂る方法として、青汁はとてもいい手段なのです。

カリウム

利尿作用があることで知られるカリウム。体内の余分な水分を排出しやすくすると同時に塩分の排出もサポートすることから、カリウムの適度な摂取は高血圧による動脈硬化リスクを抑えるのに効果的であると多くの研究で結論づけられています。ただしカリウムの過剰摂取は腎臓に負担をかけ、胃腸障害や不整脈など重大な副作用を引き起こすことも知っておきましょう。

クロロフィル(葉緑素)

体内の浄化作用にすぐれるクロロフィルにはコレステロールを吸着して体外に排出しやすくする作用があります。クロロフィルの摂取によって血液がさらさらになり、動脈硬化の進行が抑えられます。

ポリフェノール

その種類は5,000種を超えるというポリフェノールも全般的に抗酸化作用が高く、血液をさらさらにして動脈硬化を防ぐ働きがあると言われています。赤ワインに含まれるポリフェノール(レスベラトロール)の効果が健康ブームを巻き起こしたのは記憶に新しいところですが、ほとんどの野菜にはなんらかのポリフェノールが含まれており、動脈硬化に対して効果が期待できます。

ケールに多く含まれているもの

イソチオシアネート(スルフォラファン)

抗癌作用で話題のイソチオシアネートは高い抗酸化作用を持っています。しかも、他の抗酸化物質が短時間しか効果を発揮できないのに対して、イソチオシアネートにはその効力が摂取してから3日間続くという嬉しい特徴があります。

イソチオシアネートには内臓脂肪が蓄積されるのを防ぐ作用もあり、動脈硬化の原因のひとつ肥満への対策にも効果的です。

GABA(ギャバ)

リラックス効果があることで知られるGABAには、体内の余分な塩分を排出させる働きもあります。これらの作用により血圧が下がり安定化することから、動脈硬化対策にも有効です。

大麦若葉に多く含まれているもの

SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)

SODは非常に高い抗酸化作用を持つ酵素。細胞内のDNAに特に強い害をもたらす種類の活性酸素を除去する力にすぐれ、脂質の酸化を防ぎます。このSODは元々わたしたちの体にも存在する酵素なのですが、年齢とともに作られる量が減少し、それが動脈硬化の進行にもつながっていると考えられています。ぜひ大麦若葉の青汁でSODを補給するようにしましょう。

なおSODは、大麦若葉の他に明日葉、ルイボスにも含まれています。

明日葉に多く含まれているもの

カルコン

ポリフェノールの一種であるカルコンにも強い抗酸化作用があり、血液をさらさらにする働きがあります。しかしカルコンがすぐれている点はそれだけではありません。

カルコンは脂肪細胞に働きかけ、抗メタボホルモンと呼ばれるアディポネクチンを作るサポートをします。内臓脂肪を減少させ、コレステロール値や血圧、血糖値を低下させるのに直接的に関わるため、動脈硬化対策に非常に有益な成分だといえます。

クマリン

ポリフェノールの一種であるクマリンには利尿作用があることから、体内の余分な水分、塩分を排出して血圧の低下に一役買ってくれます。クマリンはセルライトの解消にも効果があるとされ、老廃物の排出や肥満の解消にも注目が集まる成分です。

ルテオリン

ルテオリンはフラボノイドの一種です。こちらにも利尿作用があり、高血圧の予防に効果を発揮します。また、ルテオリンは血糖値を低下させるという報告があり、動脈硬化の一因である糖尿病対策に期待が高まる成分でもあります。

桑の葉に多く含まれているもの

DNJ(1-デオキシノジリマイシン)

DNJはブドウ糖と非常によく似た構造を持つ成分です。食事前に摂取することで体内の消化酵素と結びつき、本物の糖が吸収されるのをブロックする働きがあります。

この作用により実際に糖尿病や肥満を予防・改善できることがわかっており、動脈硬化対策としても実用性の高い成分だと言えます。

緑茶、抹茶に多く含まれているもの

カテキン(ポリフェノール)

カテキンには脂肪を燃焼させ、体脂肪を減少させる効果があると言われ、ダイエット系サプリメントによく配合されているのはご存知のとおりです。また、カテキンはポリフェノールの一種でもあり、ビタミンEの約50倍という非常に強い抗酸化作用を持っています。これらの働きにより、カテキンには動脈硬化を予防する高い効果が期待できます。

テアニン

緑茶や抹茶を飲むとなんとなくホッとした気持ちになりませんか? これはお茶に含まれているテアニンの働きによるもの。リラックス効果があり、血圧が低下させて安定させる効果が期待できます。またテアニンには脂肪を燃焼しやすくする働きがあることも報告されています。

青汁は補助的に。まずは生活習慣を見直して

青汁に含まれている、動脈硬化に働きかける成分をご紹介してきましたが、青汁は薬ではありません。青汁がいくら効果的であっても、青汁を飲むだけで対策として十分だとは言えないのです。

動脈硬化を予防するには、

・塩分や脂肪分、カロリーを摂り過ぎずバランスの良い食事内容にする
・野菜や海藻類、きのこ類をメニューに取り入れる
・肉は控えめにして、魚(特に青魚)を積極的に食べる
・できるだけバラエティに富んだ食品を使用する
・三食を規則正しく摂る
・お酒を飲み過ぎない

などといった食習慣の見直しとともに、

・禁煙する
・定期的に適度な運動をする
・規則正しい生活リズムを作る
・ストレスを溜めない

などの生活全般を改善していく必要があるとされています。

血糖値やコレステロール値の異常は遺伝によるところが大きいと言われています。しかし適切な治療や本人の努力によって、これらをコントロールできるケースも少なくありません。悪化すると生命にも関わる動脈硬化ではありますが、そのリスクは下げることが可能です。その対策の一環として、青汁をぜひ効果的に活用してください。

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