青汁に含まれる添加物について

青汁に含まれる添加物
黎明期の青汁はまずいものの代表として扱われていました。インパクトのあるCMもありましたし、テレビでは罰ゲームの際に飲むものといった扱いでした。でも今は青汁は「美味しいもの」に進化しています。

最近の青汁が飲みやすくなった理由は2つあります。1つは原材料を工夫したこと。かつての苦い青汁にはケールが使用されていました。ケールは栄養価が大変高く、健康のために摂取したい成分もたくさん入っています。でも「まずい」。……この”味”が唯一にして最大の欠点だったのです。

これに代わって登場したのが大麦若葉でした。栄養価ではややケールには劣るものの、ケールとは違う優秀な成分がたくさん含まれていますし、なにより「美味しい」。

そのちょっと香ばしく、抹茶にも似た味わいは、青汁が飲みにくいものから飲みやすいものへと認識を変化させるのには十分でした。さらには他の野菜や果物を配合した青汁が次々と登場し、今では小さな子どもたちから年配の方まで誰もが喜んで飲める飲み物になったというわけです。

さて、青汁が飲みやすくなった理由がもうひとつあります。それは食品添加物の存在。今回はその添加物についてご紹介することにします。

様々な形で使用される食品添加物

わたしたちの身の回りには添加物を使用した食品が溢れています。食品添加物というとなんとなく体に良くないものだと思われがちですが、全てがそうだとは言い切れません。例えば麺類に使用されるかんすいや、豆腐における凝固剤のように、使わなければその食品自体が製造できないものもあります。

青汁に入っている添加物は、主に次のような目的で使用されています。

・風味や口当たり、香りを良くして飲みやすくする
・カロリーを抑える
・栄養成分を強化する
・保存性を高め、品質を長期にわたって保持する

一言で食品添加物と言っても合成して作られたもの、自然界に存在するものをそのまま、あるいは加工して食品に使用しているものなど様々です。

では具体的に、青汁にはどんな添加物が使われているのでしょうか。筆者が飲んだ青汁を中心に、使用されている添加物を調べてみました。

天然甘味料・天然成分由来の甘味料

甘味料は青汁を飲みやすくするために使われます。甘みを感じるものやマイルドな味わいの製品の多くに甘味料が使用されています。

甘味料は大きく、天然甘味料と人工甘味料の2種類に分けることができます。天然甘味料はさらに食品の部類に入るものと自然界に存在する甘味料、さらにそれを加工して作られる甘味料に分類できます。

オリゴ糖

ブドウ糖などの糖類がいくつか結合してできた天然の甘味料。一般的には3~10個程度結合したものをオリゴ糖と呼んでいることが多いようです。

甘さは砂糖の4分の1しかありませんが、その分やさしい味わいになり、お腹の中の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果が期待できます。カロリーが砂糖の約半分であることや食後の血糖値が上昇しにくいことから、青汁にもよく配合されていまます。

青汁のパッケージには単に「オリゴ糖」という記載にとどまっているものも少なくありませんが、実際にはオリゴ糖には非常にたくさんの種類があります。その中には「お腹にいい」「甘みを加える」という目的ではなく、別の働きを期待して添加されているものもあります。青汁に使用されている代表的なものを挙げてみましょう。

フラクトオリゴ糖

野菜に多く含まれているオリゴ糖です。風味が砂糖に近いのにカロリーが少なく、食後の血糖値を上昇させにくいことからダイエットフードなどにもよく利用されています。
腸内の善玉菌を増やすのに加え、カルシウムやマグネシウムの吸収を上げる効果があります。
虫歯になりにくいため、小さなお子様から年配の方まで広くおすすめできるオリゴ糖です。

ガラクトオリゴ糖

母乳や乳製品に多く含まれているオリゴ糖です。熱や酸に強いため、大腸まで届きやすく、腸内環境の改善や免疫力の向上に寄与してくれます。ただ、甘み自体はそれほど強くはありません。
ガラクトオリゴ糖には新陳代謝や脂肪の代謝をアップする働きなどが期待できます。

オリゴトース(直鎖オリゴ糖、マルトオリゴ糖)

甘みは砂糖の30%と控えめ。そのため、甘みを加えるというよりはむしろ、腐敗を防止し保存性を高める目的で使用されています。

シクロデキストリン(環状オリゴ糖)

保存性の向上や吸湿防止などのほか、液体に溶けやすくするために使用されるオリゴ糖です。甘みは少なく、苦味の緩和や異味の緩和、粉末の安定などの目的で薬品にも使用されています。

血糖値の上昇を抑える作用があることからダイエットへの効果が注目されています。また、腸内環境を整える作用にすぐれており、継続的な摂取によって免疫力の向上が期待できます。

糖アルコール類

エリスリトール

果物や発酵食品に含まれている天然甘味料。砂糖の7割程度の甘みでほとんどカロリーがないため、ダイエット食品に甘さをつける目的でよく使用されています。安全性については評価が十分に確立されているため、ダイエッターだけでなく病気で糖質を制限しなければならない方でも使用することができます。

冷感を持つ独特な甘みで、これまで砂糖の甘さに馴染んでいると使いにくいと感じる方もいらっしゃいますが、他の甘味料と併用することで砂糖に近い味わいを作り出すことができます。

虫歯になりにくく、口内環境を整える働きがあるため、歯磨きに添加されることもあります。

トレハロース

自然界に存在している天然の糖質で、一般的にはとうもろこしやじゃがいもなどから作られるものが添加されています。

安全性が高く、医療目的でもしばしば利用されています。ただし血糖値の上昇を抑える作用はないため、糖質制限をしている方が砂糖の代わりに使用することはできません。カロリー自体は砂糖と同程度で、甘みは半分程度だと言われています。つまり、トレハロースではカロリーカットは期待できません。

しかしその甘みは上品で、マスキング効果(苦味や雑味、臭みなどを隠す効果)などがあること、品質保持に優れることから、青汁以外にも冷凍食品や様々な加工食品に使用されています。

ステビア

南米原産の多年草ステビアから採れる天然甘味料。スポーツ飲料や清涼飲料水などに使用されていることで知られています。砂糖の数百倍とも言われる甘みがあるのに、カロリーはほとんどゼロ。

しかも糖尿病や高血圧、肝炎、二日酔いなどに対して効果があると言われ、盛んに研究が行われています。ダイエットが必要だけど甘いモノが大好きという方には、まさに夢の甘味料だと言えるでしょう。
風味は自然ながらやや苦味がまざるため、他の甘味料とブレンドする形で使用されることもあります。

避妊効果について取り沙汰されることもありますが、古代ペルーで使用されていたという噂が根拠になっており、定かなものではありません。実際の調査ではステビアの避妊効果は否定されていますので、注意しましょう。

その他の天然由来の糖質

マルトース(麦芽糖)

とうもろこしや芋類を原料として作られるマルトースは砂糖の3分の1と甘みの強さでは及びませんが、上品でさわやかな甘さを持っていることから様々な形で食品に利用されています。

最も有名なのは飲み物の「ミロ」。このほか、はちみつや水飴、キャンディなどにも含まれています。また、ビールの原料になるモルトにもマルトースが多く含まれています。
腸内環境を整え、便秘を解消する効果が期待できます。赤ちゃんの便秘薬にも使用されているほど安全性の高い成分です。

マルチトール(還元麦芽糖)

マルトースを加工して作られる糖アルコールです。甘みは砂糖の8~9割程度ですが、カロリーは約半分であること、血糖値の上昇をゆるやかにすることから、ダイエット食品などにもよく利用されています。

低カロリー甘味料の「マービー」や砂糖不使用を謳うチョコレートにもマルチトールが使用されていますが、全く血糖値が上昇しないということではないため、糖質制限が必要な方は注意してください。

マルトースと比べて体内に吸収されにくく、たくさん摂取するとお腹がゴロゴロしたり緩くなったりすることがあります。

還元麦芽糖水飴

マルチトールを水飴状にしたもの。マルチトールを75%以上含む糖アルコールです。砂糖不使用のお菓子類によく使用されており、血糖値の上昇が緩やかになる、消化吸収されにくい、虫歯になりにくいなどの特徴があります。

これもとうもろこしや芋類などを原料として作られるため、危険性はありません。ただしたくさん摂取するとお腹が緩くなる可能性がありますので注意しましょう。

マルトデキストリン(MD)

マルトデキストリンはトウモロコシなどのデンプンから作られる糖質で、キャンディなどによく使用されています。カロリーは砂糖と変わりませんが、甘みは3分の1程度。つまりダイエット用としてはあまり向きません。

しかし消化が非常に早く、運動によるグリコーゲンの消費を補う働きがあることから、素早いエネルギー補給が必要となるアスリートには大変人気があります。ちなみに一時期欠品を起こすほど注目されたコンビニのサラダチキンにもマルトデキストリンが添加されています。

デキストリン

とうもろこしやじゃがいもに含まれるデンプンを加工して作ったもの。食品を取り扱いやすくするための賦型剤として使われることがほとんどで、青汁では粉末を溶けやすくするためによく使用されています。

ここで取り上げましたが、あくまでもデンプンですので、食品添加物ではなく通常は食品として取り扱われます。安全性についても問題ないと言えます。

乳糖(ラクトース)

母乳や人工乳、牛乳に含まれている糖類です。甘みは砂糖の半分程度。基本的に消化はされやすいのですが、乳糖を吸収・分解できない乳糖不耐症を持つ方が摂取すると下痢や腹痛を起こす可能性があります。青汁では甘みや濃度を調整するために乳糖が使用されています。医薬品にもよく使用されており、無害な成分です。

人工甘味料

天然由来のものではなく、人工的に作られた甘み成分です。合成甘味料と呼ばれることもあります。
現在、多くのローカロリー、ノンカロリー飲料・食品にこれらの人工甘味料が使用されています。青汁によく使用されている人工甘味料には次の3つがあります。

・アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物
・アセスルファムカリウム(アセスルファムK)
・スクラロース

これらはいずれも砂糖の100~数100倍の甘さを持っています。砂糖と同等の甘みをごく少量=ほぼノンカロリーでつけることができるため、ダイエット中の方には大いに重宝されています。

危惧されるのは人工甘味料の安全性についてでしょう。
上記の3つの甘味料は、いずれも安全性に問題のないものとして認可されています。ただ、ラットへの実験結果を根拠として、発がん性が危惧されるという声は後を絶ちません。

現実問題として危険だと推測される量を摂取し続けるケースはほとんど考えられませんが、口にしなくて済むのであれば避けるに越したことはない成分だと言えます。現時点で深刻な健康被害の報告はありませんが、少しでも気になる方やお子さまの摂取は見合わせるのが無難でしょう。

食物繊維

青汁はそのままでも食物繊維が豊富に含まれています。しかし、粉末青汁に含まれるのは不溶性食物繊維がほとんどで、水溶性食物繊維の量はそれほどではありません。便秘を効果的に解消するには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランスよく摂取することが大切です。水溶性食物繊維を添加している青汁が少なくないのはそのためです。

難消化性デキストリン

デキストリンから消化しにくい成分だけを抽出したのが難消化性デキストリンです。デキストリンに甘みがあるのに対して、難消化性デキストリンは無味無臭で熱、酸に強い性質を持っています。

難消化性デキストリンは通常の水溶性食物繊維と同様に、腸内環境を整える働き、血糖値・中性脂肪の上昇を抑える働き、不要な脂質を吸着してコレステロールや内臓脂肪を減らす働きなどが期待できます。その効果と安全性によって、厚生労働省から特定保健用食品(トクホ)として認可を受けている成分でもあります。

アガベ・イヌリン

アガベ・イヌリンはテキーラの原材料となるアガベという植物に多く含まれる多糖類。天然由来の食物繊維なので安全性の高さが魅力です。

他の水溶性食物繊維と同じように腸内環境を整える働きや食後の血糖値の上昇を抑える働き、血液中のコレステロールや不要な脂質を吸着して体外に排出する働きなどが認められています。アガベ・イヌリンのパウダーには全くクセがないため、食物繊維サプリとしても人気を博しています。

安定剤、乳化剤、増粘剤など

品質を安全に保つ、とろみをつけて飲みやすくするなどの効果を引き出す添加物です。これらの添加物にも様々な種類のものがあります。

ガラクトマンナン

多糖類の一種で主に増粘剤や安定剤として幅広く使用されています。
ガラクトマンナンの代表的なものにグァーガムがあります。グァーガムはグアー豆の胚乳(子葉)を原料として作られるもので、腸内環境を改善して便通を整えたり、血糖値の上昇を抑える働きやコレステロール値を低下させる働きを持っています

。グァーガムは非常に安全性が高く、食物繊維や薬理作用が豊富なことからアイスクリームやドレッシング、スープなど数多くの食品に活用されています。

ローカストビーンガム

カロブ豆(イナゴ豆)と呼ばれる豆類の種から作られる増粘剤。古代エジプトの時代から使用されてきたという、歴史の非常に長い添加物です。アイスクリームやイタリアのジェラート、ゼリーやスープなどによく使用されています。安全性には特に問題ないと考えられます。

カラギーナン

カラギーナンは食品に滑らかさを与える食品添加物で、紅藻類から抽出して作られます。アイスクリームや乳製品、肉製品など数多くの食品に添加されるほか、安定剤として化粧品や歯磨きなどにも使用されています。

カラギーナンにはラットでの実験を根拠に、発がん性を疑う声があります。ただ、同じ条件で人間が食べるとするなら不可能なほどの大量摂取が必要となるため、摂取上限を設けた上で認可するという形になっています。少量の摂取なら問題はないと考えられますが、心配なら避けるようにしましょう。

添加物をどう考える?

青汁には上でご紹介した食品添加物のほかにも、

・ビタミンCやβ-カロテンなど、成分強化のための栄養素
・保存性を高めるための防腐剤や防カビ剤、保存料
・味を整えるための酸味料
・青臭さを消して美味しそうな香りをつける香料
・美味しそうに見せるための着色料

などが添加されることもあります。

甘味料や保存料などについては賛否両論あるとはいえ、「飲みやすくする」「品質劣化による健康被害を減らす」といった一定のメリットがあります。

しかし着色料や香料などからは、ほとんど使用する意味を見出せません。一応は安全だとみなされているとはいえ、やはり「余分なもの」はできるだけ摂らないに越したことはないでしょう。

配合されている添加物はどこを見ればわかる?

青汁にどんな添加物が含まれているかは、食品表示の原材料名の欄を見るとわかります。JAS法によって定められたとおり、重量の多いものから順に表示されているはずです。原則として添加物は全て記載することになっていますので、ぜひお手持ちの青汁のパッケージを確認してみてください。

もし添加物の名前が上位にずらりと並んでいたら、その青汁は要注意です。商品によっては添加物が最上位に記載されていたり、ケールや大麦若葉といった原材料よりはるかに多い添加物が入っていたりすることがあります。そうなってはケールを飲んでいるのか添加物を飲んでいるのか分かりません。

添加物を口に入れたくないのなら、「無添加」と書かれているものを選びましょう。その上で、無農薬、オーガニックなどの記載があれば非常に安全性が高いといえます。購入の際にはぜひそれらの記載をチェックするようにしてください。

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