青汁とスピルリナの栄養素・効果の比較

青汁とスピルリナの栄養素・効果の比較
35億年前、そんな太古の大昔に誕生した生命が、実は近年、様々な方面から注目されているのをご存知でしょうか?

見た目は濃い緑色。
そのため、青汁と混同してしまうこともあるようですが、実は、全くの別物。

さて、その正体は「スピルナ」です。

「スピルナ」も「青汁」も同じ緑色で、美容・健康に良いものですが、栄養素や期待できる効果にどのような違いがあるのでしょうか?比較してみたいと思います。

スパーフード『スピルリナ』の出現

『スピルリナ』が誕生したのは、およそ35億年前、太古代、先カンブリア時代と呼ばれている時代です。

ビッグバンにより宇宙が誕生したのが、137億年前。その後、太陽系が生まれ、地球が形を成すのが46億年前。
生物学的に無生物とは区別される『生命』が誕生したのが、40億年前。

その5億年後、バクテリアや古細菌と呼ばれている『原核生物(細胞の中に核膜が存在せず、染色体が覆われていない生物)』が出現し、スピルリナはその中の1つです。

そこから、現在存在するヒトや脊椎動物、植物といった原生生物の元となる真核生物の出現までには、更に14億年。

その11億年後に多細胞生物が、5億2千万年後に、ようやく魚類が出現し、映画・ジュラシックワールドなどでも知られる恐竜が出現するジュラ紀などは、この更に2億8千万年後(今から約2億年前)の話です。

そして驚くべきは、この気が遠くなるような35億年という時間の流れの中、スピルリナは出現時からその姿形を変化させることなく、現在まで生き残っているのです。

スピルリナの生活環境

『スピルリナ』は、藍藻(らんそう)類という藻(も)の一種です。
今、万能栄養素として注目の植物ミドリムシも、この藍藻から進化を遂げたものなのです。

他にも、アオクサノリ(紅藻)、昆布(褐藻)、クロレラ(緑藻)なども同じ藻類です。

スピルリナが、どんな見た目をしているのかというと、まず色は濃緑色。
大きさはというと、幅0.005~0.008mm、長さ0.3~0.5mmといいますから肉眼での確認は難しいでしょうか。

そんな細くて小さくて濃緑色のスピルリナ、形はというと『らせん形』。
スピルリナという名前は、ドイツの藻学者により、その見た目どおり、ラテン語の”らせん”を意味する「Spira」、英語でいう「Spiral」からつけられたものなのです。

現在スピルリナは、アフリカや中南米、アラビア半島にある塩湖として有名な死海などに多く生息しています。

アフリカや中南米は熱帯や亜熱帯、乾燥地域で、昼間は気温が高く、夜は放射冷却で冷え込み砂漠地帯では氷点下にまで下がります。
更に、乾季と雨期が分かれているため、季節により降水量にも大きな差が生まれます。
また、大陸を赤道が二分しているため、南北で夏冬の季節が真逆になります。

そして、死海はというと、通常の海水が塩分濃度3%であるのに対し、こちらは30%にも達します。

スピルリナが、全く進化を遂げることなく、変化することもなく、太古の姿をとどめたままで現在も生息し続けることが出来るのは、このような過酷な環境下で繁殖する強靭さがあったからでしょう。
その環境の過酷さが、外敵からスピルリナを守っていたともいえるかもしれませんね。

スピルリナと青汁

さて、ここまでで既に、サプリメントとしての『スピルリナ』と『青汁』、”見た目”はよく似ていても、実は全く別の物から作られているということをお分かりいただけたのではないでしょうか?

『スピルリナ』は、何かを合成して作られるものではなく、『スピルリナ』という植物そのものであること。

一方、『青汁』は、ケール、大麦若葉、明日葉と、主原料と呼ばれる物だけでも3種類の物があり、そこに更に用途に合わせ、クロレラ、小松菜、ホウレンソウ、抹茶、豆乳といった材料が加えられることで、必要な栄養素を補うように作られているということです。
スピルリナが食用として用いられていることが知られたのは、1940年のことで、アフリカ中央部にある村で、近くの湖で採れたスピルリナを乾燥させ、食用として流通していることが紹介されたことが始まりでした。

では、そのスピルリナと青汁、それぞれに含まれている栄養素を見比べてみましょう。

<スピルリナに含まれる栄養素>
・タンパク質
・食物繊維
・脂質
・糖質
・ナトリウム
・カルシウム
・鉄
・カリウム
・マグネシウム
・亜鉛
・銅
・ヨウ素
・βーカロテン
・ビタミンB1、B2、B6、B12、E、K1、K2
・葉酸
・パントテン酸
・γーリノレン酸 ・・・他

<青汁に含まれる栄養素>
※三大主原料である、ケール、大麦若葉、明日葉に含まれる栄養素。

・タンパク質
・食物繊維
・脂質
・炭水化物
・ビタミンA、C、D、K、B1、B2、B6
・ナトリウム
・カリウム
・マグネシウム
・亜鉛
・パントテン酸
・鉄
・銅 ・・・他

こうして見てみると、いくつかの違いはあるものの、それほど違わないんじゃない?と思ってしまいそうですが……実は、これだけでは分からない、隠されたパワーがまだ潜んでいるようです。

スピルリナが『スーパーフード』な理由

スピルリナに、その驚くほど優れた栄養素が含まれてることが報告されたのは、1967年の国際応用微生物会議でのことです。

先ほど、スピルナの栄養素を一部ご紹介しましたが、実はスピルリナに含まれる栄養素の数は、全部で50種類もあるんです!

と、言われてもピンとこないでしょうか?

では、ヒトの体に必要な栄養素のお話から始めます。

三大栄養素である、タンパク質、脂質、糖質がヒトの体に不可欠であることは、ご存知だと思います。

それに加え、ビタミンB、Cといった必須ビタミンが18種類。
カルシウムや、鉄、カリウム、亜鉛といった必須ミネラルが20種類。
タンパク質の構成にも不可欠な、必須アミノ酸が8~10種類。
そして、食物繊維、更に、近年加えられた第7の栄養素”ファイトケミカル”と呼ばれる、植物由来の抗酸化物質(ポリフェノール、イソフラボン他、1万種以上存在するとされる)。

これらを合わせて、ヒトの体には50数種類の栄養素が欠かせない存在となっているのです。

中でも、名前に『必須』とついている種類は、ヒトが体内では生成することの出来ない栄養素。つまり、食品から摂取しなければならない栄養素です。

スピルリナは、そのうちの50種類もの栄養素を、人間が何も手を加えることもなく自然界にあるがままで保有しているということなのです。

更に、スピルリナは、成分の半分以上である55~70%がタンパク質で構成されているのですが、そこにはイソロイシン、ロイシン、リジンといった9種類もの必須アミノ酸が、とてもバランスよく含まれているということも分かっています。

過去、スピルリナを食用とし始めた1940年代の頃のアフリカでは、スピルリナがこれ程に優れた食糧であるという事実が知られていたはずもありません。
けれど、当時は第二次大戦下の食糧不足の時代、きっと計らずも多くの人達の命を守ってきたのではないでしょうか。

そして、将来、来るべき人口の増加に伴う食糧難の解決策として、スピルリナの役割が大きく期待され研究が進められています。

アメリカ航空宇宙局(NASA)においても、長期間に渡る宇宙の密閉空間での生活可能なものとするための、スピルリナを使った研究も進行中だということで、まだまだスピルリナの可能性は広がっていくようです。

スピルリナと青汁の効果

スピルリナがヒトにとって、とても優秀な栄養源となり得ることは分かりました。
青汁が持つ栄養素と共に、その効果を詳しく見てみましょう。

共通の栄養素

1)豊富な食物繊維による腸内環境の改善

青汁は、メーカーにより原料や製法が違うため、当然それぞれに食物繊維の含有量も異なります。現在発売されている商品で、約3.6g(レタス約1個分)のものがありますが、これはかなり多い方の部類になります。

また、青汁の場合は、加工の段階で水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく配合されています。

一方、スピルリナに含まれる食物繊維の量は、”食物繊維の王様”ゴボウ(100gあたり約5.6g)にも匹敵する、若しくはそれ以上の4~8%。

その割合は、水溶性40%、不溶性60%と、天然のままにバランスよく含まれています。

その働きによって、宿便を柔らかく、腸のぜん動運動が活発になることで、排泄が促され腸内環境の改善に繋がります。

2)βーカロテンによる老化防止と美肌効果

「え?青汁にβーカロテンなんてあった?」と、思いましたか?

実は、βーカロテンは、摂取後、体内で必要に応じてビタミンAに変化する栄養素です。
ビタミンAの働きとは、目や皮膚、粘膜の機能を健康に保つことです。
そして、ビタミンAに変化する必要がなかったβーカロテンはというと、体内で抗酸化物質へと変化し、老化やガン、心臓病などの原因となる活性酸素を除去する働きを担います。

3)『ファイトケミカル』の抗酸化作用

『ファイトケミカル』というものが、第6の栄養素・食物繊維と共に第7の栄養素として、近年とても注目されています。

『ファイトケミカル(phytochemical)』とは、ギリシャ語で植物を意味する「ファイト(phyto)」と、英語で化学物質を意味する「ケミカル(chemical)」を合わせた造語で、「植物由来の化学物質」という意味です。『フィトケミカル』とも読まれます。

化学物質と聞くと、なんだか体に悪い物?と考えてしまいそうですが、そうではありません。

これは、逃げるために「移動」という手段をとることの出来ない植物が、自分にとって有害な紫外線や害虫から身を守るために備えた、苦味や辛味、色、香りといった防御手段となる物質なのです。

その防御手段は、ヒトの体にとっても『抗酸化物質』として、とても有益に働いてくれる物質だったわけですね。

実は、一口にファイトケミカルといっても、その数は1万種類にも及ぶのではないかといわれています。先程お話したβーカロテンもファイトケミカルの1つなんですよ。

では、青汁やスピルリナに含まれるファイトケミカルとは、どんなものなのでしょうか?
青汁については、三大主原料について見てみたいと思います。

<青汁・ケール>
ケールに多く含まれるのは『ルテイン』というカロチノイド系の黄緑色の色素です。
紫外線から目を守る効果があり、加齢性黄斑変性、白内障、緑内障といった病気の予防効果があります。
ケールの他には、ブロッコリーやキャベツに多く含まれています。

<青汁・大麦若葉>
大麦若葉には、葉緑素と呼ばれる『クロロフィル』という色素が多く含まれます。
血中コレステロールの正常化や抗ガン作用、貧血の予防といった効果があります。
小松菜やホウレンソウなどにも多く含まれています。

<青汁・明日葉>
ケールと同じ黄緑色の色素で『カルコン』が多く含まれます。
過剰な胃酸分泌の抑制による胃潰瘍の予防、血栓の予防、血糖値上昇の抑制、肥満予防といった効果があります。
この『カルコン』は、明日葉特有のファイトケミカルです。

<スピルリナ>
スピルリナには、藻類特有の色素タンパク質『フィコシアニン』が含まれます。
これは、非常に優れた抗酸化作用を持つ物質で、抗アレルギー、抗炎症作用によるアトピー性皮膚炎の改善、免疫力の向上によるガン予防、また、インフルエンザや単純ヘルペス、HIVなどのウィルスの細胞への侵入抑制にも効果を発揮します。
そして、このフィコシアニンには、今、最も注目されている効果の研究報告があります。
それは『デトックス効果』。

なんだ、今更デトックス?と思うかもしれません。
けれど、このデトックスとは、他のサプリメントの効果でもうたわれているような「老廃物の除去」というものではなく、医療における「本来の意味でのデトックス」、つまり「水銀や鉛といった体に有害な物質や、薬物を無毒化する」ことを指します。

しかも、フィコシアニンのデトックス効果は、体内の放射能まで排出する効果があることが、チェルノブイリ原発事故において放射線被ばくを受けた子ども達のスピルリナの摂取効果として報告されているのです。

異なる栄養素

青汁

1)『ビタミンC』で美白・美肌効果

え?と思ったでしょ?
50種類もの栄養素を持っているスピルリナ、なのに実は『ビタミンC』を持っていないんです。

ビタミンCは、13種類あるビタミンの1つで、水や熱、光、酸、アルカリ、酸素によっても破壊されてしまうほど弱い栄養素なのですが、ヒトの皮膚、骨、腱、胃、腸、血管等、体の至るところに必要なコラーゲンの生成には欠かせない物質なのです。

また、メラニンの抑制などの働きもあるので、不足すると肌の老化、シミ・シワの原因となるだけではなく、壊血病や精神障害といった重大な症状を引き起こす原因となります。
スピルリナは、もともとアフリカ等の過酷な環境下で自生していたわけですから、ビタミンCには耐えられなかったのかもしれませんね。

スピルリナ

1)『γ(ガンマ)ーリノレン酸』で血糖値、コレステロール値の低下

エゴマなどに豊富に含まれるαーリノレン酸の仲間で、血中のLDLコレステロールの減少、血圧の低下、血糖値の低下といった、血流に関係する状態を改善してくれます。
LDLコレステロールを減らすだけではなく、HDLコレステロールを増やしてくれるというのですから、ダブルで嬉しい効果ですね。

そして、皮膚の機能を正常で健康な状態に保つ働きもあるので、アトピー性皮膚炎の改善も望めます。

2)アルカリ性で、ガン予防

理科の授業のような話ですが、ヒトの体内は弱アルカリ性です。
正確には、弱アルカリ性に保たれるように尿の排泄によりコントロールされています。
けれど、所謂”欧米化”といわれる食事や、喫煙、ストレスなどにより、とても酸性に傾きやすい環境に置かれています。

もちろん、酸性に傾いても、また弱アルカリ性に戻るように尿から余分な酸性の成分を排出するわけですが、傾きが大きい、若しくは慢性的に傾く生活を送っていると、当然、元に戻るのに時間がかかってしまいます。

そうしているうちに、体内の血流が滞る、疲労が蓄積する、免疫力も低下する。
そして、何より怖いのは、ガン細胞というのは酸性の細胞なので、体内が酸性であることは、ガン細胞にとって、とても住みやすい環境をつくってしまうということなのです。

このような状態にしないためには、アルカリ性の食品も積極的に摂り、体内が酸性に傾きにくくしておくことが大切です。

体が酸性に傾く食品は、肉や魚、果物、砂糖。
逆に、アルカリ性の食品はというと、代表的なものは、梅干しやお酢といったクエン酸を含む食品ですが、納豆、味噌などの発酵食品や野菜です。

ですので、野菜から作られている青汁はもちろんアルカリ性食品、そして実はスピルリナも、そのものがアルカリ性の植物。
これらを摂り続けることで、ガンになりにくい体質、またガン細胞の増殖や転移を防ぐ効果も報告されているのです。

スピルリナの注意点

実はスピルリナは、現在35種ほど生息していることが知られています。
その中には、生息地などの環境から、スピルリナそのものに水銀や鉛などの重金属や肝毒性を持つ成分が摂り込まれてしまっている物もありますので、信頼できる発売元から購入されることをお勧めします。

日本では、世界初の大量清浄培養にも成功していますので、100%国産の製品も販売されています。

おわりに

スピルリナと青汁、どちらを選ぶかは「何を求めるか」によると思います。
スピルリナを成分に含んだ青汁も発売されているようですので、両方一気にというのもいいかもしれませんね?

けれど、どちらを使用するにしても、用量と用法はきちんと守った上で体質改善に望んでくださいね。

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